猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

遠距離恋愛

ショコラオレンジ

闇は、ショコラオレンジの色を纏う。 甘く苦く。 ずっと舌の上で遊ばせれば、だんだん血の味に変わるのだ。 画面のきみに笑顔ではなく、背中を向けてしまった。 言い訳が見つからない。イライラとスマホを弄ぶ。 いやいや、それはどうなんだと思い直し、 指…

瓶詰

ようやく瓶詰の味噌が底をつく。 土産にもらって、少しずつ舐めて…正確には料理に使って…いたのである。 「そうだ、これやるよ」と 無造作に食卓に置いて、そのまま帰ってしまった。 以来、ご飯や煮物、スープの隠し味、 ポテトサラダの味変などと大活躍。 …

口喧嘩の果て

そのまま湛えて

自分の顔を乱暴にかき混ぜた それが答えになるだろうと言わんばかりに あいつの前でわざとそうした 喚き散らすかわりに コーヒーに砂糖とミルクを落とすかわりに ぐるりぐるり ぐるりぐるり いつまでもどこまでも渦を作る マグカップの中でちょっとした嵐が…

悲しい知らせ

眠る前に

仰向けになって数えたのは つらかった秒数と 笑った回数 うつ伏せで数えたのは 嬉しかった秒数と 妬んだ回数 くるくる寝返りをうっては くるくる心がうつろう ぎゅううと縮こまって ずっと夜だといいのに なんて願う 綺麗な心でいたいのに 汚れた心で痛い日…

記憶と洗濯物

水に濡れ、色濃くなる。 じっとり重たくなる。 ぴっとり貼りついて、離れやしない。 あなたの苗字を手放した部屋に、あなた宛ての郵便物が届く。 受けとるべき人は虹の向こう、空の彼方。 開封せずに送り主にお返しするのが日常のひとこまとなって、久しい。…

そわそわするのは、きみのせい。

室温16度。 考えごとにちょうどいい。 ひざかけは、もういらない。春が存分に部屋を満たすから。 室温17度。 そわそわするのは、きみのせい。 セーターはもう、いらない。春が存分に心を満たすから。 室温18度。 愛をふりまきたくて、窓を開ける。 カーディ…

おしまいです

わたしはわたしをなくし続けたくて ただただもがいているだけに過ぎないが おしまいです かみさまに告げられるまでは 無様に溺れかけようが 荒波に揉まれようが ぷかぷか ぷかぷか 時には水面でじたばたと 流れながれていくのである

墓標

べとついた感情を 目の荒い単語でぬぐい続けた紡ぎびと ここに横たわる その者も気づかぬほど遠いあした 目をさますときまで ※画像(RF素材)は奈良の古墳(文面とは無関係です)

心の中のアイロン台

生涯の仇だと確信して つのらせる憎悪がある どこふく風よと 何ふく世だと 薄れるまでには相当かかった 血が濃い関係ならなおさらで どちらかが星とおさらばする前に どうにかなったのは 今もって不可思議の極み 燃え上がれど燃え上がれど 何も得な思いをし…

破り捨てた春の1日

破り捨てた春の1日を いつかあなたが拾うのでしょう 甘い言霊冷たい態度 猫が足跡つけて去る 殺戮を破壊をやめてくれと 流れる文字の川を好き勝手にに読み散らかし 結局やっぱり遠くの出来事だと わたしたちは愚かにも納得してしまうのです 悲しいことを怒り…

買わなくなったもの、または買わなかったもの-10

使い捨てカイロ。 確か、3〜4年ぐらい前から買っていない。 USBで充電し、スイッチを入れれば数秒で温かくなるカイロを使っているのである。 バッテリー代わりにもなるので、寒い時期の外出には重宝する。 機内に持ち込んだこともあるのだが、特に咎められ…

網戸カーテンをつけた。 室内は明るくなり、しかも目隠し効果は変わらない。夏場は工夫が必要だろうが、とりあえずは快適だ。 暖簾のように真ん中で分かれ、強力なマグネットですぐに閉じるようになっている。洗濯物を干すのに開けっぱなしにしても、背後で…

この世で最初に

おやすみ 一人の寝室で つい声に出してしまった もう寝息も寝言も あなたの匂いも なんにもないのに おやすみ 一日を思い返してイラつくかわりに あなたを懐かしむ吐息のかわりに ただ おやすみ あたしはあたしの声を聞く この世で最初に 聞く あなたと過ご…

語学

寝る前にささっと。 家事や在宅ワークの合間にちょこちょこと。 出先では黙読。 つまみ食いのような勉強法だが、何もやらなければそのまま最期を迎えるだけだ(汗)。 3日坊主とは無縁だった。 不思議と、不思議と。 無料アプリと、Kindleテキスト、音声デー…

調え方

ついに、ミルクやヨーグルトを食卓にのせるのをやめた。 時折、乳酸菌飲料を口にする。それぐらいが自分には合っている。いろいろ試してようやく気づいた。 栄養学でも医学でも、はかれないことは世の中にある。 不思議と捉えるか、そういうものだと受け入れ…

幸せを語るなら

哀しみを語るなら 努めて光あふれる言葉で 伝えよう 喜びを語るなら 努めて愛あふれる態度で 伝えよう 幸せを語るなら あなたの内に光が灯るように 伝え続けよう

またね。

3月は、忙しない。 寒いのとあたたかなのが数日おきに訪れては消えていく。 恋忘れのチョコレート。 涙送りの焼きマシュマロ。 不幸も不義理も花束の奥底にぎゅうぎゅう詰めて、 なんでもないよな顔をして、きみに手渡すよ。 卒業おめでとう、またね。 ひき…

すき、まわりはしない

すきだらけでも きらいだらけでも 人生って回らないんだよね どっちもほどほど適量に (大人じゃない頃は偏りがちだけどもさ) それで大抵回っていく 好きも嫌いもいいもんだ、結局のところはね

合間を縫って

好きの合間を縫うように “嫌い”や“狭量”が混じり合う 自信の合間を縫うように “不安”や“不幸”が溶け込んだ 心は風より移ろいやすく きみの愛より不確かだ 明日よりもなお あざやかだ

自覚

心に穴があいている。 底は泥だらけである。 そんな自覚があるので、幸せも愛も大切ではあるがほどほどに、とも考える。欲張れば、それらは容易く変容するからだ。 泥の中から咲く花もあれば、泥にまみれてなお光る花もある。 今はそのことを知っているだけ…

もしも

もしも 究極の幸せというのが存在するのなら 高揚感に耐えられずむしろ悲しんでいただろう もしも 究極の愛というのが存在するのなら 果てしなく求めるだけの人生だったろう もしも 究極の不幸というのが存在しても いつか幸せに転じるという法則を知れば 落…

嬉しかったこと

嬉しくてたまらない状態になると、沸点が高すぎるとさえ感じてしまう。 淡々と生きている(?)からか、この命の器に縛られているうちは、喜びも悲しみも同量だという確信のせいか。 それでも、ほかほかほこほこと心の躍る出来事があった。 1通のメールを受…

日々各々

大抵のことは あとになって「ああそうなのだ」と気づかされる 不幸自慢も幸せ自慢も 結局は誰かと比べているだけで いっときの高揚感があるにすぎない SNSがその象徴だとは思わないが “流れ”や“閉鎖的な場”に心を預ければ よりどころ以上のものにもなり 存え…

破片

器からあふれるほど 注ぎ入れるか あるいはたっぷりと重たい荷物として 手渡してくれるものだから 抱え切れずにとり落としてしまう、愛を、幸せを だからいつも深い場所まで潜っていって 探し回るしかないのだ それを不幸と呼ぶのだと、あなたは笑う あたし…

そう簡単に、それでも運ぶ

朝からコーヒーこぼしかけ トマトのシチューでシミになり ミルクを忘れた昨日の買い物 哀れ転がるバタートースト そう簡単に平常心は育たない そうやすやすと愛は満ちず そう毎日を器用に回せはしない それでも星は我らを運ぶ どこかしらの終着駅へと

迷った末に

マイナンバーカードを取得した。 通知カード(すでに期限切れ)が届いたのは何年前だったか^^; プライバシーの問題や、何をどう紐付けるのか、など不安は拭い切れないのだが。 一方で、カードを取得して初めて手続きが可能になる、ということに出くわした。 …

選択

ほんの少し 静かな目線を送る ほんの少し 丁寧な言葉を送る ほんの少し 前に出てみる ほんの少し 後で待ってみる 後悔を知っているなら そうしよう 後悔を知っているから そうしよう 愛と呼べなくてもいい 愛と呼ばなくてもいい いつか誰かが笑顔になるのなら…