猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

連動する孤独

宇宙が咳払いするので ようやく光が滞る きみはこぼれた愛を拭きあげて 上手に飼い慣らしてる 風が息を凝らすので かえって闇は隠れがち ぼくは今夜も哀を紡ぎながら 音律を歪めていく 人の孤独と星の孤独は 連動していることを 人らはいつか気づくのか それ…

いつの間にか耳に馴染む

春先から、語学講座に参加している。 通っているわけではなく、アプリとラジオ放送を併用。 ガッツリ1日数時間!という勉強法が合う人に憧れつつも、たとえ数分でもほぼ毎日続ける方法を選んだ。 先日、某公共交通機関を利用した。久しぶりの路線である。 …

蔓延るのは

愛だけでいい 幸せだけでいい 心の中に蔓延るのは そんなものがいい だが 憎しみも不幸も妬みの感情も 入道雲のように容易く膨れ上がっていく どちらかしかないのなら 愛も幸せも知らずにいたろうか どちらかしかないのなら 憎しみと不幸しか味わえなかった…

推しさん

推しさんが出演する作品の舞台挨拶があった。 久々の“遠征”を楽しんだ方も多いのではないだろうか。 筆者の推し活は、ささやかである 最後に遠征と言える移動をしたのは、推しさん関連で言えば大分でのイベントだったろう。九州在住ではあっても、交通の関係…

手に入れたのは

手に入れたのは 唇でも愛の言葉でもありませんでした せっかく受けとめてさしあげたのに あなたときたらいつも知らん顔なさるんですもの あたくしに心臓をやろうと 約束なさったではありませんか もしや最後のひとつだったのでしょうか ご自分のためにお使い…

花束にはできなくとも

花束にはできなくとも いつかいつかの願いをこめて あたしは拾い集めています 雲のひとつも数えられずに 風のひとつも束ねられずに なんとしましょうと ちいさく悩んだ日々は遠く だけどやっぱり いつかいつかの願いをこめて あたしは拾い集めています ふと…

風を味わいたくともすでに四季すら曖昧で

とても悲しい とても嬉しい 我らは「とても」にしかもはや 反応できなくなっている とても許し難い とても心に刺さる 我らは 「とても」にしかもはや 心が動かせなくなっている 風を味わいたくともすでに 四季すら曖昧で 雨に委ねたくともすでに 天気すら曖…

少し疑え

絶好調を疑え 絶不調を鵜呑みにするな いつも いつのときも 自分を信じて愛して その上で少し疑え 絶好調を疑え 絶不調を鵜呑みにするな いつも いつのときも できる範囲で自分の限りで

参加

ひさしぶりに、フォローしている方のインスタライブに参加した。 なんでもパーソナル・トレーナーの師と回線をつなぎ、ストレッチの実践を行うという。興味津々だ。 筆者自身、あるameblo公式ブロガーの方のトレーニング講座を受講した。 トレーニングと言っ…

KOTODAMA

毒を吐けば心が溺れ 薬と思えど心が揺れる マウントするように愛を叫ぶものは ただの嘘つきで 黙して抱きしめるだけで 伝わるのにと 言い返しもせず 目元からにっこりしてみせる はてさて どちらがより意地悪なのだか 知りたいものである 晴れやかに 手放す…

こきおろして 叩きのめしたい そんな欲望が微かにでも含まれれば それはすでに 憧れではなく嫉妬であろう 似ているのは 自分の世界が狭まりがちだということ そうして焦点が絞られたとき 自分すら見えなくなる 嫉妬は酸味と苦味が混ざっている 憧れは甘味と…

変化

予想はしていた。少しだけ、意図した。 それで使い方が変化した。 今年は、「推しごと」が多くなるだろう。 イベントごとはタイミングが合えば。 雑誌は、半分以上デジタルに寄りかかる。 情報番組のはしごは、録画で。ただし、公式チャンネルで動画になるこ…

わたしの中の猫が疼く

わたしの中の猫が疼く 悲しいことなのか嬉しいことなのか 区別がつかなくなってから ずいぶん経つので 猫が疼けば悲しいこと 猫が喉を鳴らせば嬉しいこと そう理解して 人らの中に紛れて暮らしている わたしの中の猫が逆立つ 悲しいことなのか怒りにとらわれ…

孤独でいることは もうそんなに恐ろしくはない 孤独の定義は人それぞれで 線引きなど曖昧だから さびしくなることは もうそんなに恐ろしくはない 生きるのは大抵さびしさと隣り合わせだから 幸せか不幸かの品定めは もうそんなに興味がない どちらも同じだけ…

トーザ・カロット岬の毛糸屋さん〜店主の好きな花〜

青空の色を そっくりそのまま集めたような まあるいまあるい花が 群生する森があります トーザ・カロット岬で毛糸屋を営む 猫そっくりの店主は その花が大好きでした まあるいまあるい花は 空の色を映し海の色を宿し だんだん夕暮れに彩られたように 紫に染…

一生

笑って泣いて 憤ってもがいて 溺れて引きずられ 祈る幸を知り 何かが分かりかけた矢先 眠りが訪れる

幕をあける

砕け散るさまは美しく 足を踏み入れれば血で染まる 壊れれば 2度と戻らぬのは命の器も同じこと 砕け散るさまは耳障りで 手で受け止めれば傷がつく こぼれれば 2度と戻らぬのは命の器も同じこと そんなことさえ忘れがちな つい忘れがちな季節が幕をあける

「やめる」

全てのことを、というのは確かに難しいのだけど。 身の回り、半径3メートルからはじめるのなら。 くらべる。憎悪する。妬みの挙句、そっと傷つける。 それらを手放せばいいのに、感情は時として病より厄介だ。 とりだしてゴシゴシ洗いたいと願うのに、それ…

遠慮がちにカーテンをひく音が どこかの部屋から聞こえて 今朝は明るすぎるのか 早起きの妻を思う 二度寝の習慣は僕にしかない いわゆるショートスリーパーの妻を 羨ましがったり 体が保つのか気にしたり 無理に合わせようとしてみたり そんな時間はもう見当…

絶滅

詩人はいつか必ず 絶滅危惧種と呼ばれる日がくる すでに全ての人が “我こそは詩人なのである” そう名乗り始めた昨今なので 詩人という単語にすら 意味がなくなりそうな勢いだ そうであった 始まったものは終わりを迎えるのだ だから人らもいつかは

拾う

ああまただ 画面に貼りついたのを 丁寧に拾い上げて ため息ひとつ 掃除も済ませ仕事もやっつけ 料理は作りおいたのを解凍すればいいだけだ このところ手早く素早く何もカモが進むもので やっとマイリストに入れたままの 番組でも見ようかという気になったの…

仲良し

希望や夢だけでなく 絶望感や喪失感の味と仲良くしておこう 誰もそんなふうに 教えてはくれないけれど それもありだと思うよ

灯台躑躅

「だけど」をやめ、た 断言したか、った 灯台躑躅はつぶやくと ふるりふるり体を揺らした 「それなりに」をやめ、た 愛したか、った 灯台躑躅は俯くと ふるりふるり体を揺らした 去年と同じ場所で出会っても 器に宿るものは僕の知らないあなたなのか 来年ま…

いつか拾い上げる日まで

耳から沁み込む事象の全てが 私を形成しています そう思えば この衝動も薄らぐことでしょう ですから 心を小さく畳んで サコッシュに入れるのです 誰にも気づかれぬよう 誰も傷つけぬよう 見捨てた自分を いつか拾い上げる日まで

裏側

つい今しがたの残酷な願望を 言葉にも声にもしないまま なに食わぬ顔のあたしは 実行はしない 傷つけもしない 困り顔の人がいれば見過ごしはしない 大丈夫ですか、と口に出しながら こちらの道が近いですよ、とにっこりしながら なぜか残酷な言霊が心のスク…

仮(か)族

音が馴染むたびに 心はほんとうを映しだす 反響する単語がどんなにお優しくても 軽々しく信じられる人ではないのだと 声がするたびに 心はほんとうを嗅ぎ分ける 反響する言葉がどんなに愛情ぶっても 軽々しく寄り添ってくれはしないのだと 四六時中そばに 四…

Nocturnality or Luminous

昼夜逆転とやよく言ったもので 日が出る頃 えらく睡魔を感じるのだ 口さがない連中からは 夜行性とあだ名を付けられ いやいや夜“光“ 性だろ、などと 冗談めかした学生時代だったな 夜はいい 暗いのは快適だ 見たくなければ見なくていい よく見たければ光をあ…

考え考えしているうちに、3回目のお知らせが届く。 全肯定と全否定の合間に暮らし、迷いもゼロではなかった。 辛辣な言葉も、相変わらずトゲトゲちくちく。 うねりとなる、ほかをも巻き込んでいく。 3回目は、ただひたすらに眠かった。 ぼんやりした。 寄…

掲載

少し前に書いた文を、あるミュージシャンの公式サイトに載せていただけることになった。 掲載にあたりメールをくださったのは、他ならぬミュージシャンご本人である(驚)。 どんなことを書いたのか自分でも忘れていたのだが、内容もそのまま添えられており…

大先輩のこと、少し。

詩人は嘘をつく。 虚構と現実を見極めた上でね。 敬愛してやまない大先輩が、 悪戯っぽく話してくれる。 画面の向こう側で。 私は自分の未熟さを指摘されたと思い込み、 いつものように少し落ち込む。 深読みしすぎだ、と大先輩がニヤニヤする。 虚構世界を…