猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

奇薇衣(キライ)

美しく告げれば 許されますか 今も過去も 断片の未来も 私は奇薇衣だと確実に 美しく装えば 許されますか 愛も憎悪も もういない君にも

あの人は美しいと言った

あふれた涙を拭うたび 体の奥が乾ききって 汚れた指先を あの人は美しいと言った 気づかれないように傷つける 誰の目にも心地よい言葉が ピンポイントで深く抉る あふれた涙を拭うたび 心の奥が冷えきって こんなにも汚れた指先を あの人は美しいと言った

頽(くずお)れても頽れても

雷の訪れば 耳塞ぎ 風訪れば 顔覆う 心乱れば 衣を掴み やがては空の色に 染まるのみ 頽れても頽れても 今を歩むのみ

仮説

絶望から始まる朝に 心を絡めとられても 嘆いてはいけない 感性が 感情が たとえカケラでも 命のうちに流れ続ける証 絶望から始まる朝もまた 愛おしいのだ 希望探しでやつれてしまうより 幸せでいられるのだ

アオハル

今夜は

今夜は夢にも入れやしない レム睡眠からも ノンレム睡眠からも 見放されてしまった 今夜は過去にも戻れやしない 心配事は少なくなった そんな歌が心をよぎるのに ぼくは今に釘付けだ 明日のことさえ遠すぎて 今夜が冷たくふけていく 沈み込むように明けていく

たいくつ

あの人のこと。

思い出すのは 出っぱり始めたお腹と 髭の濃さ 隠れて吸ってた タバコの香り 意地悪な単語をたくさん知ってるくせに ハグとキスはこの上なくやさしかった 思い出すのは 出っぱり始めたお腹と 髭の濃さ 隠れて呑んでた ワインの香り

桜が揺れる

桜が揺れる 旅を奪われ歌を奪われ もうずいぶん経ったのに 桜が揺れる 季節は消えて風は留まり もうずいぶん経ったのに きみの桜だけが揺れている やさしすぎるほどの 痛みを含んで

防御

無料のアクセス解析ソフトを組み込んでいる。 当ブログにも、表(?)の推し活ブログにも。さすがにnoteには設置できなかったが、Ameba ownedには苦労の末、設置することができた。 ブログ記事に表示はしていないのだが、ソフトはしっかり稼働してくれている。…

甘美

孤独は甘美である きみに会いたい気持ちと 好きなだけ寄り添えるから 愛情は甘美である きみに惜しみなく注いで 何も求めなくていいのだから ゼロにならない後悔も たまり続ける潰えた夢も とりだして眺め回せば どうだ悪くはないじゃないか それなりに甘美…

PCすったもんだ-4

Firefoxとの縁は、これまでか。 消えた設定やブックマークはどこにあるのか。 全てを失った(←過剰な表現)あと、Safariに全てをゆだねることにした。 かなり深い時刻までPCと格闘する。SafariはPCを一度終了させても、変わった様子は見られない。安堵した。…

つないでふれあって

つないでふれあって 転びそうになったら さしのべて どんなふうにこなしていたかな それを そんなことを どんなふうにしていたかな それを そんな仕草を 世界がこんなになる前は ほんとになにげなく ほんとに考え込みもせず つないでふれあって 転びそうにな…

PCすったもんだ-3

もうひとつ問題が発生した。 Apple IDのアップデートをしてください、という表示が出るようになったのだ。 無論「後で」を選択してとりあえずの作業を進めることも可能だ。 だが、遅かれ早かれ同期しているデバイスにも影響が及ぶ。 クレカとの紐付けもある…

PCすったもんだ-2

あまりのことに、文字通り頭を抱えた。 幸い、移行元のPCが遅いながらもまだ動いており、スマホやあまり使っていないタブレットにも共通の設定やアプリが多い。 ブックマークのURLは、あらかじめメールソフトの下書きに保存している。 なんとか移行先のPCで…

PCすったもんだ-1

何年ぶりか思い出せないほど久しぶりに、ノートパソコンを購入した。 整備済みの中古品ではあるが、ありがたいことに最新のOSがばっちり積まれている。 PC同士をWi-Fiで接続し、移行アシスタントに従ってちょちょいのちょい とりあえず、移せる(と言っても…

2321/11/14

あの冬 あわてて買った 少しぶかぶかのパーカーを 今年もついに着ないまま あたしは衣替えのまねごとにいそしんでる 12月の声を聞いたところで 雪はもうずいぶん見ていないし 薄手のコートすら必要ないのだから 冬 この言葉の意味を知らない世代が そろそろ…

11月の金木犀

夜に気づかれぬよう 香りを追いかければ 花は満開で 泣いてるみたいだった 月に吠えたくなり 立ち止まれば 花は満開で 泣いてるみたいだった 11月の金木犀は ただ悲しくて どんな涙も嘘になりそうだ だからかみさま まだ冬を紡がないでください あと少し も…

買わなかったもの、または買わなくなったもの-5

美容液を買わなくなった。 そろそろ10年近くになるだろうか。 普段は化粧水とクリームのみ。乳液も使わない。 メイクをしない日は、水かぬるま湯で丁寧に洗うだけ。簡単なものである。 あれこれ取り揃えていた頃は、かえって肌トラブルに見舞われていたよう…

風物詩

寒くなると、なんとなく不安になる。 全国的に「木枯らし1号」のニュースが聞かれるようになる頃だ。 半袖Tシャツが心地よかった日の深夜、毛布をひっぱりだした。 体調を崩しやすいのは、寒暖の差が大きいことに加え、こんな些細なことで眠りが浅くなるか…

広いから

あまりに広すぎるものだから 閉じていることに 気がつかない 誰一人として

冬がくる

しと降る時刻

しと降る雨に 走行音が混ざる 夜な夜な寄り添ってくれた 小説のラストは救いがなくて デカフェも心も冷えていく 夜更けには止んでしまえ 時間など止まってしまえ イライラと毛布を引き上げ それでようやく息をする しと降る時刻 星は孤独に朽ちていく

心のうちに涙が落ちれば

心のうちに涙が落ちれば いつか花が咲くのでしょう 喜びと悲しみは分け隔てなく ただ彩りあふれているのです 手放したはずの重荷を スルスル手繰り寄せてしまうよな そんな日もあるのだけれど 心のうちに涙が落ちれば いつか花が咲くのでしょう 喜びと悲しみ…

さびしぃく かなしぃく

さびしぃくなれ かなしぃくなれ その分 つよぉくなれ 幸せにぃなれ くるしぃくなって つらぁくなって その分 体内に息づくだろう この命が さびしぃくなれ かなしぃくなれ その分 つよぉくなれ 幸せにぃなれ

幸せの記憶

生まれる意味も 去り行く意味も 我らは静かに受け入れる 絶望も希望も すでになく 幸せの記憶を我らはたどる 苦しみは心に漂う 喜びは体を包む 遥か空から眺めれば どちらもさほど違いはなく それぞれの時がそこに存在するだけだ 生まれる意味も 去り行く意…

僕の1週間は水曜から始まる

僕の1週間は水曜から始まる 君と暮らしていた頃の習慣が どうも抜けきれないというわけだが 案外気に入ったので そうしているだけだ 僕の1週間は水曜から始まる 水回りを丁寧に掃除して 洗濯機が回っている間に スーパーへ車を走らせる 食料品を買い込んで …

心は命を決めつける

まるで 鍾乳洞が早送りで形成されるように 心は命を決めつける 崩れても消えても 時間は滞りも淀みも置き去りに 漂っているというのに 人らはこうして愚かに諍うのだ まるで 鍾乳洞が早送りで形成されるように 心は命を決めつける ひとりとしてそこから 逃れ…