猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

銀のつぶつぶ

銀のつぶつぶが こぼれていったら やっと 心の熱がひいた そもそも 自分自身が銀色のかたまりみたいなもので それが急にグリーンを育ててみたりもして どこかでバランスが崩れたのでしょう、と 主治医は血液検査を細かくチェックしながら 穏やかに告げた 処…

「さん」をつけたくなる

親しみを込めて、呼ぶ おかゆさん 弱っている時に とてもとても助けられる 梅干し、佃煮、やわらかい魚の煮物、湯豆腐 少しずつ少しずつ おかゆさんと口の中へ 一度にたくさん食べられない時も 一度にたくさん動き回れない時も 寄り添ってくれる食べ物は必ず…

「久しぶり」について

久しぶりって すごいなと思う 体調の変化、食の好みや量の変化 ここ数年で多分 一番の「久しぶり」だ 気がつかなかったこと 案外たくさんあって 久しぶりは悪いことばかりじゃないと 実感している

大丈夫だ

電話案件が久しぶりに発生し 時系列でメモを作る 闇雲に伝えても互いにいいことないから 挨拶から始まって、世間話は今回に限りなしで 丁寧にやわらかにしっかり 主張はして引くところは引いて 大丈夫 いつも顔を合わせているのだから 大丈夫だ

滋養のフルーツゼリー

この夏、体調がいまひとつなこともあり、久しぶりにフルーツゼリーを少し買い込んでおいた。これが、とても重宝した。 一度に少しずつ、小さなグラスに移してゆっくり食べる。 体にも心にも優しく沁みて、命に変わっていく。ありがたいことだ。

なんてことないチーズトーストサンド

薄切りパンをカリカリに焼いて そこにプロセスチーズとハチミツを バランスよくサンドする 子どものとき熱を出すと 大抵母親が甘い紅茶と一緒に 作ってくれていた 少し溶けかけたチーズと少しのハチミツ そして甘い紅茶 病気の時にでも食べられるものは 限ら…

カステラ

卵、砂糖、水飴、小麦粉。 基本の材料はそれだけ。とてもシンプル。ただ、作るとなると話は違ってくる。 昔、自分でも作ったことがあるが、それは大変だった^^; なんとなくカステラをスーパーで買ってみたが、やはり人工的な添加物の記載がない。非常食がわ…

本質

ハニカミ屋で 恥ずかしがりやで 人目がすごく怖い そんな私を誰も知らない

真夏のホットコーヒー

たっぷりのコーヒーを マグカップでゆっくり飲みたい そんなことをようやっと思うように なった 秋の扉はまだ開かず 夏の扉は必要以上に大きく開いたままで 内も外も燃えたぎるような 熱を 甘んじて受け入れる たっぷりのコーヒーを マグカップでゆっくり飲…

よき日

朝もはよから受けとる通知は 「熱中症アラーム」 または 「雨雲が近づいています」 たまに 「お荷物お届け」 だったり 今日は誰にも会わない日だったなぁ …と嬉しいような淋しいような 気持ちの時ほど なぜだか予定を吸い寄せる それもまた よき日に違いない

ちょっと。

ものすごく久しぶりに 自分の用事で調剤薬局に立ち寄る このところ、家族の用ばかりで 自分ときたら、風邪薬か湿布薬ぐらいしか縁がない (ある意味それは幸せなことなのだが) ものすごく久しぶりに 自分の用事で調剤薬局に立ち寄る マイナ保険証の機械にび…

チェリーと真夏

アメリカンチェリーの価格がようやく落ち着いてきた。 去年と違ってすっかり高値の花になっているシャインマスカットの棚を素通りし、チェリーに手を伸ばす。 少しの幸せが、少しの不幸と隣り合わせだ。 それが、日常というもの。 グラデーションを生きてい…

「いつも」と「みんな」

ゆっくりと1週間が始まったけれど あくせくと1週間が終わっていく 始まりは火曜日だった 終わりは金曜日だった いつもよりずっとゆっくりで いつもよりずっとあくせくしてた 「いつも」は「いつも」じゃない顔をして 「いつも」だと言い張って通過する 「…

道の程

栞を挟めど挟めども あれもよきこと これもよきこと 忘れられない道の程

浄化の日

新月の頃は、「手放す」「捨てる」ことに重きを置くとよいらしい。 詩人さんも少しだけ意識している。と言っても、ゴミ集積所を使える時間と曜日は限られているから、タイミングを外すこともあるにはあるが、それは想定内。 ものではなく、思いや習慣でもよ…

ほんの近況

フランス語の初級者テキスト(中古品)を手に入れた。 超初心者用のそれを読了したので、少しずつの実践編というわけだ。音声をダウンロードして、とにかく真似る。 なんとかの一つ覚えではないが、これがいつの間にか効いてくるのだ。 計画的に進める必要は…

決して同義語じゃない

何も努力をしないこと と 現状維持

今だけの怠惰

怖がることを 怠けてみた

詩人さんと傘

朝から湿度が高く、強い南風が吹いている。 時折落ちてくる雨粒のため、窓もあまり開けられず外出の時刻を迎えた。 目的地に行くために、電車を乗り継ぐ。 最初に乗る駅は徒歩圏内だから、そこまでの多少の雨風は覚悟の上だ。それを過ぎれば、到着まで傘の出…

傘の内側

ドロドロで目を背けたくなる 透明な輝きを放っている そのどちらにも属さない そんなものたちでできている

ながらとちりつも

ゴミ出しのついでに、ほんの数分歩いて帰宅する。ちりつも。 PC作業しながら、ぐ〜っと足を踏みしめたり足踏みしたり。ながら。 部屋ではサーキュレーターに吹かれ、洗濯物が踊る。ながら。 家の中、この部屋ではスクワットを数回。ちりつも。 姿勢があやし…

過去

今この瞬間のわたしを 構成している全て 忘れたり捨てたりしたことも ひっくるめて

広告

感謝や感動することもあれば、 ため息つきたくなることもある

きっとそうなんだよ

つっかえた単語ほど つまずいた出来事ほど もしかしたら大切なんだよ きっとそうなんだよ ランキング参加中詩

jumper dress

比較的、体型や年齢や季節を選ばない。 そう信じている。 幼い頃からジャンパースカートが好きだった。 まだ、洋裁をするくらい気力も体力もあった母が、足踏みミシンで作ってくれた。すとん、と頭からかぶる。どんなシャツやブラウスと合わせても、決してケ…

くいしんぼ

くいしんぼでいたい いつもいつの日も くいしんぼでいたい いつかもいつの日も つまみ食いの人生だって いいじゃないか それが命を作るのなら 終わりがさだめであるのなら ランキング参加中詩

てがみ

ジクジク痛む 安堵と不安の混ざった 塊が バッサリ切り落とされた 過去のすべては 申し訳なさそうに あたしを見上げてた ゆらゆら ゆらゆら 迷いと決断は 心算を切り刻む サラサラ サラサラ 愛と孤独が うちよせる場所にて ランキング参加中詩

所在不明

愛は行方不明になり 光は所在不明となり 闇は証拠隠滅困難となり ヒトは死ぬまで 散らばりゆく宇宙を集め続けるのだ ランキング参加中詩

あたしはいつまでも怖がりで

アスファルトに5月がへばりつき 不機嫌にそれを避けた 踏めば何か変わるから 踏めばどこかへ滑って行けるけど あたしはいつまでも怖がりで アスファルトに5月がへばりつき 不機嫌にそれを避けた 拾えばまだ美しかろに 茶色くなるにまかせる あたしはいつまで…

もういい

もういいよ、の投げやりも もういいや、の優しさも もういいの、の憐れみも もういいね、の許しも 声色ひとつで変わるんだってさ 逆の意味にね