猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

今日を待たずに休みは明けて

今日を待たずに休みは明けて ぼくのため息深くなる 秋を待たずに魔法がとけて ぼくの心がひび割れる 混乱するのはいつものことだが 天気だけではないようで 感情体調憎悪に愛情 渦巻きながらたちのぼる 今日を待たずに休みは明けて ぼくのため息深くなる 秋…

混在する矛盾

こっそりあの子をなじった指先が 愛おしくてたまらぬように 鬼灯を撫でる こっそり悪意を書きつけた指先が 愛に満ちあふれた 美しい言葉を紡ぎ出す 混在する矛盾は 誰の中にも押し寄せて たまに悪さをするんだねえ さあ 今朝はどちらに転ぶんだろう

きみの言い訳を黙って聞いてる

昨日はそりゃ暑かったから すぐ気づいてよかった 忘れてたのよなんてこと 残った肉炒めをレンチンして そのまま半日忘れたの ごめんね 口に入れちゃおかな ほんの一瞬だけ思ったけど やっぱりそりゃ暑かったし だいじょぶそうな気もしたけど しょうがないね …

寂寥

秋の海辺みたいだ この悲しさは 手放した感情まで 繰り返し押し寄せる 秋の海辺みたいだ この寂しさは 手放した言葉さえ ヒタヒタと押し寄せる 秋の海辺みたいだ この時間は 見失った背中にさえ 指が触れそうだ

麹屋 kinomama〜魅惑の酵素シロップ

ミュージシャンのiima(イーマ)のインスタグラムをフォローしている。 行く予定だったライブは、悪天候のため中止を余儀なくされた。が、何度か配信ライブを楽しませていただき、その時に採用されたリクエストメールは、現在もiimaの公式サイトに掲載されて…

サヨナラよりも確かな約束

一年に一度 何もそれは誕生日だけを指すのじゃない 一生に一度 昨日とも明日とも違う今日 やっぱり大切な日で 魔法でも夢でもそっくりそのまま再現できなかろう ゴーヤを刻み なすを合わせよくよく炒めて それはあしたのお楽しみ 味がしみしみ お味噌味 去年…

夢と人生-2

「夢」という言葉で全てを肯定・あるいは否定しようとすると、おかしなことになる。 夢と呼び定義づける考え方も指針になるかもしれないが、どんなに優れたメソッドであっても誰にでも心地よくフィットするわけではなく、とらわれすぎればストレスの種でしか…

秋待ち

あの人は本当に

「始まるよ」 あの人の声に誘われるまま アプリを起動する ありえないのに あの人は本当にとても遠いところで 「ほら」 こんなふうに繋がっても困るよ だって だってさぁ 「約束したでしょ」 夢とも死ともつかぬのに 生とも闇ともつかぬのに 「始まるよ」 あ…

今日もわずかな愛を喰む

どうして?を楽しみながら大きくなり どうして?を哀しみながら去っていく 「どうして」は付きものなのに 「どうして」に目をつぶる そんなものさとたかをくくり そんなものかと息を吐く 身体に風が巡るように 今日もわずかな愛を喰む

稜線

猫そっくりの生き物がおりまして

ワンピにしようか Tシャツにしようか あるいはちょっとドレッシーなのを 選ぶ? 合わせるのは麻のサラリとしたパンツ どうやったって逆立ちするほど暑いのだけれど 毛皮を脱ぎ捨てられるだけ 人らよりマシかもね ワンピにしようか Tシャツにしようか あるい…

musique

舌を満たすそれを 呼びだせるなら幸せだ 心を満たすそれを 味わえるならもっと幸せだ 耳を満たすそれを 奏でる日々はかなり幸せだ きっと死ぬまで幸せだ

二重にかけた鍵を 3度確かめ ガタガタ押したり引いたりして ようやく気が済む それからいかにも沈痛な風を装って 熱でトロトロの街に出かけるのである 立秋が過ぎたとて 熱中症の警報は止まらず ひぐらしすら鳴かない こうなって何年目だ全く ぼんやりと口…

出かける・集まる

「禍」になって、めっきり集まりごとが減った。 どこぞで試写会あればいそいそと、どこぞでライブがあればこれまたバタバタと。それらも、6〜7割ほどはオンラインとなり、在宅のまま参加が可能になった。 ヴァーチャルという単語は、ふだんごとになってし…

過去

心配性

閉じ込めて知られぬよう 鍵をかけてあふれぬよう 唇を噛み締める 叫び出さないよう あなたへの恋心が消えぬように

旅情

風の匂いを忘れて ただの旅人にさえなれない あなたの声を手放して ただの迷子にもなれない 水の味を忘れて ただの紡ぎびとでもなくなり 静かに朽ちてうちあげられるのだ

それもいい/それでもいい

連れていってくれるのは 絶望や悲しみの空だけではないはず 希望を語れば指さされ 愛がわからないなんてと鼻で笑われ 自分を大事に 自分を好きに それ以外に道はないなどと 諭される 好きになれなくてもいいのに 見捨てず寄り添うだけでも 骨が折れるものだ …

わたしはスマホをオフにする

秒針がスキップするのを 確かに見届けて わたしはスマホをオフにする 日付をまたぐ瞬間に スキップに出会うことは珍しく 隣で眠る連れ合いに気づかれぬよう 「あなたよりちょびっと得したわよ」などと ニンマリしてしまう 起床時には忘れているが 就寝時に魔…

夏の定番-2

実家では、それをよしとはしない。もっと言えば決して許さない空気が満ちていた。 が、すでに家を出てからの年数もかなりなもの。育てて(食べさせて)もらっておいてなんなのだが、心と体が合わなかったのだな、と冷静に分析している自分がいる。 親兄弟(…

それもある意味

それもある意味、スピリチュアルなのかもしれない 誰かがSNSにそんなことを記した 今でこそ公言する人間が多くなり そんなに珍しくなくなった能力 風吹くよき時代になったものだ そういう意味では 幼少期からそれは私に備わっていて 変わり者だとか嘘つきだ…

わけ

感情を封じ込めるのは 得意だ 単語の端々にのせず 相手を怒らせることもできる 短い単語から人となりを知るのも 苦ではなく 答え合わせは腹だたしいほど当たっている (もっとも流動性がついて回るのだが) 群れないのに引き寄せてしまう みたいなことも確か…

買わなくなったもの、または買わなかったもの-11

以前、日用品のまとめ買いの話を書いた。 今回はその続き、トイレットペーパーについて。 骨折以来、嵩張るものを持つのが苦手になったので、ペーパー類はまとめて取り寄せている。 今年の初め頃までそうしていたのだが、あるとき某ネットショップ(実店舗も…

夏恋(こ)われの

紙一重

あなたを思っています あなたがケガしないか あなたが病むことがないか あなたを心配しています そう まるで初恋のようにずっと 鬱陶しいほど狂おしく 子を思う本能など心当たりはなかったが これがそうだったのかと 戸惑うばかりだ あなたを思っています あ…

chou à la crème

よくできたシュー生地みたいに あたしは不安を膨らます 優しさだと勘違いするために 甘く泡立つクレーム・シャンティ あたしは挟む機械的に いい人だと勘違いするために 薄く濁ったchou à la crème あたしは待ってる齧られるのを

居場所

居場所がないのはただの思い込みで 体はいつだってここにある 居場所を見つけたいのはただの夢で 体はいつだってここにある 居場所でないのはいつだって承知で 体もいつかは消えていく 居場所がないのは初めからで 感情が今もそうさせる

つぶやき

よく 開き直りたい 佳く 開いていたい よく 開(あ)け直したい 良く 開きたい