「禍」になって、めっきり集まりごとが減った。
どこぞで試写会あればいそいそと、どこぞでライブがあればこれまたバタバタと。それらも、6〜7割ほどはオンラインとなり、在宅のまま参加が可能になった。
ヴァーチャルという単語は、ふだんごとになってしまった。
マルチバースという概念にも、それほどびっくりはしない。
つまりはそんなところなのだろう。
魂だけが出かけていく。
器を置いたまま。
それを死と呼んだものなのか。
微かに秋めいた空を眺め、在りし日の誰かの面影を追っている。