猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

二重にかけた鍵を

3度確かめ

ガタガタ押したり引いたりして

ようやく気が済む

 

それからいかにも沈痛な風を装って

熱でトロトロの街に出かけるのである

 

立秋が過ぎたとて

熱中症の警報は止まらず

ひぐらしすら鳴かない

 

こうなって何年目だ全く

 

ぼんやりと口の中で氷を転がしながら

人のいないのをよくよく確かめ

マスクをとってみた

 

駅が近くなりやっと人らしき影が見え始め

再びマスクをつける

 

こうなって何年目だ全く