猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

眠くてたまらないから 優しくなれない 眠くてたまらないから 優しくされたい 眠くてたまらないから 君に会いたい 眠くてたまらないのに 君に触れていたい

私の中で

のたうちまわる言霊が苦しくて 壊れた日々さえ愛おしくて もっと触れていたくて 少女は駄々をこねている 今日も明日も

気がついたのは あの日と違って 右肩が濡れてなかったから 気がついたのは あの日と同じ帰り道 気がつかなかった 離れ始めた二人の気持ち 揺れていた君の心

きみがいなくて

見上げるソラに 前みたいに きみがいなくて 宇宙は僕からはみだして しまうんだ 見上げるソラは いつもみたいに赤く燃えて 宇宙はいつのまにか 僕から過ぎ去っていくんだ 見上げるソラが ほんとうにきれいだと 泣きじゃくっても 宇宙は僕からはみだしてしま…

たちどまれども

たちどまれども たちどまれども 深い彩(いろどり) 熱のあと

今だけ

お願いです 今だけ急ブレーキを かけてください 涙と恋の始まりに

約束したから

時間軸からはみだしてふたりだけで会いましょう初めからそうだったように

そこだけではなく

そこだけではなく それだけではなく 空だけではなく 外だけではなく 削ぐだけではなく 層だけでもなく 奏だけではなく 総だけではない そんな日

図書館に 行くふり重ねた夏休み 母の知らない 自分にゆれる

乾いた心で小さく祈る

勇気と 正義と 狂気が どうかどうか 同じ意味になりませんよう

さっきまで

こんなふうに あなたは泣いて ほんのさっきまで ここにいたのだろう どんなふうに あなたは笑って ほんの昨日まで 隣にいたのだろう そんなふうに あなたは黙って ほんの少しずつ 嘘を重ねていたのだろう

あっち向いてホイ

溺れていることにも 怯えていることにも うっかり目をそらし続けるのだ 恋している間は

優しさは刃のように

やさしさを 研ぎ澄ますだけ研ぎ澄まし 刃のようになお突きたてる

この上なく

この上なく 人間らしさを引き出され 人間くささを手放していく

君のキス

「わーっ」と転がるように 走ってきたかと思うと 今日もきみは 「ぎゅっ」と首にしがみついてくる もう大丈夫 もう怖くないよ ここにいるよ 「とんとん」と背中に合図 それできみは やっといつもの顔になって ザラザラの舌で 僕の頬にキスをした

にわか雨

雨しずく はぜて爪先熱く燃え 思いもかけぬ一夜の戯れ

拡散の

拡散の はやさに揺れる心模様 名のない部屋から そっと見守る

静謐

あなたと共有したくても できないこと ふたりが寄り添っているから 訪れないこと でも わたしたちは とても好きだったのだ はなればなれになるまでは

逢瀬

夕闇に ほたる火愛し 夢のあと

終演後

音遊びの 館を抜ければ提灯の 遠く行き交う祭囃子

夏風景

濃紺の 闇を揺さぶる花弁かな

短冊

織姫様と彦星様が会えますように 字が上手になりますように 夢が叶いますように あの子より 美人さんになれますように

鵲橋

かささぎの橋は 雨にかすみ せめてもの夢さえとけて かささぎの橋に 光たわむれ せめてもの涙あふるる

ざわめく指先

速報に ざわめく指先なだめつつ 素知らぬ顔で運ばれている

嘘と真実

その夜 言葉は流れ出た 何も聞こえず 眠ったまま 月の下で あふれるような 嘘と真実

全てはそれから

今だけ 月も太陽も 体内から切りはなして 今だけ 理(ことわり)も律動も すっかりてばなして 全てはそれから

心を満たす

心を満たす雨の音 いつかの吐息に触れながら 心を満たす風の音 やさしさを言霊に込めて 心を満たす波の音 夢の中でも甘いのです

心を削る

心を削る雨の音 いつかの吐息を混ぜ合わす 心を削る風の音 ぬくもりは辛いだけなのに 心を削る波の音 求める夢さえ悲しいのです

やわらかさを分けてください

やわらかさを分けてください やわらかさを分けてください 涼しげな顔で なんでもない風を装って 片手で持てるぐらいの やわらかさを分けてください やわらかさを分けてください あなたを思い出さずに すむように

口惜しさと嫉妬の味は 少し似ていて いま わたしはどちら側に いるのだろう 恋の高ぶりと 憎しみの高ぶりも 少し似ていて いま あなたを3センチ 遠くに追いやった