猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ゆっくり生まれる

止まりさえしなければ ゆっくりでも 何かが始まる 止まりさえしなければ ゆっくりでも 何かが生まれる 止まりさえしなければ

客人-1

雨のたびに 透明な色した孤独が 僕の隣に訪れます

君のいた空の下

いま 声が触れた 指先に確かに 君がぬくもりを連れて行く 春がさびしく笑う 僕が世界を忘れても 季節は僕を運んでいく 君のいた空の下 まだ僕は答えをだせなくて まだ何も見つけられなくて 浅い春が さびしく笑う すれちがいざまに さびしく笑う いま 声が触…

深淵に遊ぶ

深淵に転がり 深淵に遊ぶ 深淵はやさしく 深淵は苦く 静かに静かに横たわる 深淵はそら音 深淵は希望 深淵の明日 深淵の空

夜ごと夜ごと

夜が静かに呼吸する ゆっくりと繰り返す 夜が横たわり わたしにもたれかかるとき もう朝は消えたのかもしれない そう信じた 夜に包まれ 夜に溶ける 夜と旅して 夜を遊ぶ

往復書簡

あなたの朝は あの子の夜で あの子の雨は あなたの青空 あなたの怒りは あの子の涙で あの子の夢は あなたの始まり

波打ち際で

波打ち際で 待ち合わせしましょう 空がまるまって おちてくるまで

ブランコ

空が斜めになったとき わたしはそっと目を閉じた 空が斜めになったとき あなたは言葉を探してた 空が斜めになったとき 風がくるくる舞いました 空が斜めになったとき 声を殺して泣きました

西日

見上げれば 心の奥まで続く色だった 苦い恋のように

散歩

星が雨を飲み干したら 散歩に出よう 風が呼び止めるまで

とぽとぽ ぽん とぽぽ ぽん とん ぽん ぽん とぽとぽ ぽん ぽん とぽん とん ととん とととと ぽ とん

しりとり歌

風待ちの坂 探しあてた たちまち月 気紛れの レノンをまねれば バトンもわたせぬ 布ひと巻き 気休めに 虹を一筆空に置く

閉じた心に降りかかる

かすかな紫 曇り星さえ 戻らない 雨の色は たちまち染まり 閉じた心に 降りかかる 旅をすれば人に迷い 人に迷って また空を見上げた 閉じた心に降りかかる 閉じた瞳に降りかかる

今、風があなたを押し戻しても

今 風がもし あなたを強く押し戻しても いつか味方してくれる 明日へと 送りだしてくれる 昔 守ってくれた その手で そんな日が くる

道案内

暗いくらあい路地へ入って 月の光をやり過ごし 星がぽとぽと流れたら 足の向くまま左へ右へ しばらくまっすぐ行ったなら 明日がそこにあるでしょう

春雷

遠くで何かが破裂して 僕は きみのことを 祈っていた 春が始まった雨の日 遠くの空が破裂して 僕は きみのことを考えていた 思っていた

過去

青空に探しもとめた 雨のなごり 土砂降りの中見つけた かすかな虹 小さな 消えそうだった想い

眠れない日

月が 渇いた残像を連れてくる 夜ごと 狂った時間を連れてくる 月の重みを 持て余し 流れる星も ちらばるばかり 闇に潜って 待ちましょう あなたが来るのを 待ちましょう

祈り

涙の満ちる場所にも いつか 笑顔が育まれますよう

処方箋

自分の中に蠢く矛盾を 愛すること 時には必要です お大事に

campus

二つ折りの想い出 特別すぎない感情 照れた笑顔と過ごす 大切な時間

猫のうた

大声で鳴くより 耳元で甘えたい 喉を鳴らすかわりに 手のひらに そっと口づけたい 言葉が壊れないよう 想いが崩れないよう やさしく抱かれたい

それだけではないのだけど

まるいまるい やさしいものだけで できているわけではないのだけど まるいまるい やさしいものは きっと落ちている 体のどこかに こころのすみに 痛みとともに

証明も照合も

証明も照合もできないのに かすかな記憶にしがみついて 想い出をたどる

あなたに会う日

眠りにおちる 猫より ききわけがない あたしのこころ

おやすみのおやすみ

おやすみのおやすみ 僕らの腕の中に おやすみとおやすみ 僕らの呼吸のリズムで おやすみもうおやすみ 悲しみ手放して おやすみのおやすみ また会いましょう

ホロロ ホロロと 磐の上 ホロロ ホロロと 流れゆく 渦も濁りも ますます冴えて 見送るこころの 浅ましき

夢のおわり

指先が trèmoloを弾くように震えて 貴女はか細い声で聞いた いつまで 空は暗いの?と 星も月も 胸の奥まで浸透する それが 僕らの別れの瀬戸際 それが 僕らの夢のおわり