猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

恋ふ

おじいちゃんの童話

うーんとちっちゃい頃 祖父に寝かしつけてもらうことが たまに ほんとうにたまにあり その時に聞いた話を シェアします さらさちゃんは 水たまりが海になる話を 知ってるかな 最近は幼稚園でもそんなことを 教わるのかい そうかそうか 水たまりは 空から…

セミジェル

この記事が人の目にとまる頃には、飽きてしまっているだろうか。 それとも、熱冷めやらぬ、だろうか。 10数年ぶりに、ネイルをしてみたくなった。 バリバリ(誇張)働いていた頃、艶出しぐらいのことはしていたのだが、いつの間にかやめてしまった。 ネイル…

海をしまった箱と、空をしまった箱をあずかっている。 この上なく、 どうしようもなく、 なんの手立てもなくなった時に、 初めてふたをあけなさい。 小学校にあがる少し手前、 夢の中で手渡されたのである。 ちいさかった私はただ、 変な夢としか思えず、 今…

料理

酸味のきいたパスタで 火照った体をなだめようと 市場でトマトを買ってきた 丁寧にすりおろす 丁寧に潰す 丁寧に味をつける キッチンは地獄と天国が 綯い交ぜだ だって あなたの心臓に見たてるんだもの 真っ赤な実を

モドリノススメ

2秒だけ戻りなさいな 1秒ではなんだかわからないし 3秒ではそれ以上に引き戻されるから そりゃあ何も起こらない そんなに今と変わらないけど やさしくなれたり 何かに気づいたり できるかもしれない 体は戻れなくても 気持ちは動くんだよ たまには 2秒だけ戻…

忘れることが下手だ。 誰かにもられた、尖った単語。 誰かがつかった、冷たい態度。 声も視線も細胞レベルで思い出しては憎くなる。 忘れることが下手だ。 嘘をつくのが下手だ。 愛より正直にならなくてもいいのに、 満たされないマグカップを今日も啜る。 …

恋する心

切り落とし

ハサミをいれられるたび 喪失感と快感が 身体を走りぬけ 心の中はたちまち雨模様だ 足もとにも胸もとにも あふれる分身たち 命を手放すかわりに 思い出を切り落とした ハサミをいれられるたび 後悔と希望が 身体を走りぬけ 鏡の中の自分と目が合った

計測

あたたかくなる 多分 あたしは機嫌がいい 熱くなる 多分 あたしはイラついてる 測ってみれば 同じ数字になるだろうに 人というのは なんとも割り切れぬ生き物だ RF素材「怒りの温度計」(kpさん)

それぞれ

美味しいね 甘みと酸味が絶妙だね お腹にもお肌にもすごくいいのよ 色も綺麗 だけれど自分には もう少し甘いほうがいいな お腹がゆるくなりそう つまりは肌荒れの原因だよね 色が濃すぎないか それぞれで構わないものを 決めつけようとするところから 何かが…

詩人屋さんの日常-10

すっく!と立って、人のように生きる命を選んでから、出会いと別れが絶えない。 いつ果てるやら、自分の歳もさだかではないので当然といえば当然だ。 多くの心ない言霊を浴び、少しだけ愛を浴びた。 全てが必要である、特に「詩人屋」でいるからには。 栄養…

詩人屋さんの日常-9

めっきりテレビを見なくなった。 感染症のニュースが8〜9割となった頃から、だと思う。 たまに「リアタイ」するのは、好きなキャスターが登場する、夜の報道番組程度である。 必要な情報は勝手に画面上に流れてくるか、流したままにしているラジオかポッド…

きほん、えそら。

美しく完璧に そんな夢はとうに潰えて かわりに 自分軸とやらを 手に入れた気になっている 軸は 時々ヘソを曲げ まっすぐだけど浅かったり 太いけれど折れやすかったり だから 自分軸ってなんだろね 試行錯誤する日が一年にいちどあれば それでいいのかもね…

雨を忘れた火曜日

23時 誰にも許されないのかと また寝返りをうつ 猫になどなりたくないと かみさまにごねれば 聞きとげられたろうか しましまの美しいしっぽを あなたはほめてくれたけど ふたりでいると変な目で見られるわ そう言って姿を消した 11時 なんの約束もないので …

隙間

心の隙間は ないほうがいいのか 適度にあったほうがいいのか 隙間のないように並べましょう あるいは 隙間をあけたほうが無難です そう 時と場合による せぇるすまんの手を煩わせることも ない 今日は隙間だらけで 昨日はぎゅうぎゅう詰だった 心の網目模様…

見破り

美辞麗句が一人歩きする やさしく甘く 一見無害で既知にとみ よかったですねが繰り返される 巧妙に嫉妬を秘めて 美辞麗句が一人歩きする やさしく熱く 一見無害で既知にとみ 誰でもそうだよねが流れ続ける 巧妙に敵意を秘めて 淹れたてのコーヒーが香って 僕…

孤独考-1

思うのは 命の北限・南限・高限・低限・深限などなど よーするに極限だ あの人はそう言う 言葉でなんのかんのと表せるのであれば まだ孤独でも極限でもないのだと あなたのは 100歩譲って「孤独感」程度のものだろう? 意地悪く あの人はそんなLINEをよこし…

訳:糖化した蜂蜜でさえ柔らかくなる季節である。私もそのようにありたいものだ。

「きほん、こどく。 」のわけ

実は、はてなブログをもう一本書いている(「推しブログ」「推し活ブログ」とも呼ぶらしい)。 ただし筆者の推し活はどう見てもかなりアバウト&ささやかなものである そのブログのタイトルが「き」で始まる。 特にリンクは貼っていないが、ID検索で簡単に探…

心を持ち上げる

悲しくてたまらなくなったので 土砂降りではあるが 念入りに洗濯することにした 久しぶりに 他人の心情に寄り添いすぎて なにがなんだか状態になったのである 「念入り」とは言っても ほぼ毎日洗濯機を回しているから そんなに汚れ物が溜まってもいない 特別…

こねこね

ひとつふたつ こねこねこねこね あっちの悩み こっちの迷い みんなまとめて こねこねこねこね ちいさいもおおきいも ないんだなこれが 日々雪だるまのごとく 積み上がる 崩れるのを待つか 溶けるのを待つか いっそのことまとめてしまえ というわけで こねこ…

今日この頃

🌸 👓 🌿 褻(け)……日常

孤独が基本

孤独に押しつぶされたことはないが 孤独を楽しんではいけないのかと 悩んだことはある 誰かと同じでいること 誰かと一緒に行動すること 誰かを想うこと いつもどれかに欠けている 自覚はあったりなかったり それでも 生きることは興味深く 思いがけないこと…

うわの宇宙(そら)

おおよそ100年にいちど 見たことも聞いたこともない はやり病が星を満たし 全てのいけない(と思わされ流されがちである)事象は そこから派生しているのだと 人らはいともたやすく勘違いする 100年は人らの単位でしかないのに 全てのいけないことは 人らの…

育ててみる-2

sa-la-sa-i-poet.hateblo.jp あれから4ヶ月近く。 こんなふうになっている。 背が伸びた♩ 室内で可愛がっている。 水を換えたり、暑くない日は明るいところに置いたり、時々葉っぱを洗う。 そのぐらいだが、いつの間にかずいぶん大きくなっていた。 垂…

ある朝-4

口を丹念にゆすいで チュアブル錠を噛み砕く コーヒーの香りが広がって 少し遅れてハムエッグとサラダの味に 体の奥まで包まれる 食事はそれでおしまい 昔ながらのバタバタした朝の光景は この時代の人らは おそらく映像でしか知らないだろう 通勤ラッシュと…

もとは同じものらしいがそれにしても

どこかにある日常光景

早くなさいよ マスク顔の方々に 詰め寄られるのは 日常茶飯事 顔色…は こちらも同じくマスク顔なので 伝わらないが 呼吸も鼓動もさほど動かず あいすみませんと 丁寧に応える アンガーマネジメントを 受けたわけではないが 数十年続いた教師生活は 無駄では…