猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

命はオモチャじゃないのです

命はオモチャじゃないのです 命はゴミじゃないのです 命はその辺に転がってるものじゃないのです 命は儚く命は力強く 命は明滅し命は燃えさかる 誰もそれを止めてはならない 誰もそれを奪ってはならない 命はオモチャじゃないのです 命はゴミじゃないのです …

手紙

ハサミは切れ味悪くなり カッターこの前手放した ティアテープがあるのだから 困ることはないけれど あたしに届いた手紙の束は そんなわけでいつも歪む インクは切れたし プリンター壊れた 返事を待つ相手はいないのだから 困ることはないけれど そんなわけ…

不燃ごみの集積場が敷地内にある。 やや重い扉を押し開けると半地下に続く階段があって、その先が集積場となる。 敷地外から回り込むようにすれば、扉も階段も使う必要はない。 だが、衆人環視(?)の中、ゴミ袋を手に歩くことになる。ジョギング中の人とす…

相談コーナー

学生時代、熱でどうにも起きあがれないことがあった。 大抵は風邪かお腹の不調。当然「欠席」ということになる。二日もじっとしていれば浮遊感は抜けずとも、退屈を味わうくらいの余裕は出るというものだ。 枕元のラジオに手を伸ばす。 午前中とあって、なか…

入れ替える、表のわたしと奥に眠るわたしを。

入れ替える、表のわたしと奥に眠るわたしを。 傍目からは暴れているようにも見えるだろうし、 随分と寂しそうに見えることもあるようだ。 入れ替える、表のわたしと奥に眠るわたしを。 何やら真面目そうだ、と信頼関係を誰かと築けるのか、 または孤独を存分…

好きを熱く語る

水曜が好きです 生まれた曜日は違うのだけど “週のまん中水曜日” 誰かが楽しげに口にすると ウフフとスキップしたくなる 水曜が好きです あの話題の番組のことはよく知らないけれど ロマンチックで可笑しくて ついつい夜更かししたくなる 週末だってこんなに…

ある種のしたり顔で

冷酷さも小粋も 大人になるにつれ同居しているんだと 知る ひとりの中にだ 折り合いのつけ方と 使い分けのバランスを ある種のそこ意地悪さで ゆらゆら揺れた 瞬間ごとにだ 壊れるよりよかろうと ある種のしたり顔で 言葉を繰り出す 刃の代わりにだ

感情の置き場

「感情排除を」 言いかけて そいつは舌なめずりした 「感情排除ってやつをね、覚えたんですよ」 より冷静になる方法なのか あいつに勝つ唯一の術(すべ)だと言いたげに (あいつというのは 嫉妬だの強すぎる正義感だの義務感なんぞを指すのであるが) 「ま…

今日の不幸は

買わなくなったもの、または買わなかったもの-9

骨折に見舞われたのは、コロナ禍という言葉がささやかれ始めた頃のこと。 未知の病原体に対抗するワクチンや治療法は、確立されていなかった。 街からは人が消え、トイレットペーパーをはじめとした日用品も消え、誰かに会うことも触れることも、著しく制限…

今朝はそんなふうに始まったのだよ

もはや懐かしさすら感じない わたしにとって そんな夢の話をしよう 遠い街で約束があってね 大勢の人らが待っている わたしは彼らに話をすることになっているんだよ それで バスに乗ったというわけだ それがどうだろう 観光バスのような様子で 皆が目的地が…

わたしの木曜日を返してください あなたとなんでもないことで わらいころげた あの春の木曜日の1日を 瞬間を 返してください 愛や恋や幸せや なんかもう素敵な色を ふたりを返してください 1度だけでいいのです どうか どうか

誰も知らない

シナモン

冷えて冷えてしかたがないので 何かいいもの美味しいもの Siriに尋ねて人にも尋ね本にも頼り大騒ぎ シナモンなんぞいかがです? すすめられたはいいのだが 菓子も作らずすっかり無沙汰 カシアに桂皮よニッキさん 買ってみました 瓶入りを 飛びそな香りは冷凍…

冷たい人と呼ばれて

クラスメイトと同じ人を 好きになりました クラスメイトは あたしの(勝手にそう信じこんでた)想い人から 一方的な熱を寄せられてはおりましたが 「〇〇くんはただの友達よ」 「さらさちゃん、私には結婚を約束した恋人がいるんですもの」 などと キラキラ…

ほんの少し

久しぶりに雨のない土曜、お昼時。 大根が安いよ、とAIがピックアップしてくれたチラシ。 ありがたい。スーパーへ向かう。 早朝にしか行かないようにしているものだから、これまた久しぶりの混雑の中に、体を滑り込ませた。 柴犬がね、好きなんですよ 急に年…

加速するのは愛だけでいいのに

加速するのは愛だけでいいのに 急に冷たくなるのは 空だけでいいのに 押し寄せるのは幸せだけでいいのに

愛と哀と無知と無茶

自分を愛するように 他人を大切にしなさい 先生は 教壇でそうお話されておりましたが 自分を愛したことがない子は どうふるまえばよいのでせう 母さまも父さまも教えちゃくれませぬ ついぞ愛してはくれなんだ わたくしの中で たまにおチビが暴れるのでござい…

日々

飲み下しにくいことの なんと多い世の中か 折り合いをつけることばかり 覚えたこの身を 「穏やかでしっかりした」と 思ってくれる人もいるようだ 中身は見えやしないので どうとでも そう割り切る瞬間もあれば いずれはひび割れ 滲み出てくるものだ なんとも…

誰かの横顔〜またはプロフィール

プロフィール、という単語は横顔の意味でもあるという。 実際に横向きの顔ということでなく、その人自身のあんな面やこんな面といったところだろうか。 自己紹介と同義語として扱われることも多く、日本語としてすでに定着している感がある。 SNSのプロフィ…

禍と渦

めったやたらに、とりいれすぎない。 めったやたらに、すすめすぎない。 間違いなのか正解なのか、疑問に感じられるのなら尚更。 情報が溢れ、取捨選択に頭痛が起きそうな日々である。 「禍」になって3年目、わかってきたことも多いとは言え、謎なこともま…

誰だ

世界をむきだしにしたのは 誰だ それを愛を呼ぶのは 誰だ 責め立てることではなく 喜ばしいことであるのに 押しつけられるのは ごめんである 闇も光も同時進行であるのに 今はただ 眩しいことだけがよいとされる 正しい(とされる)のは 間違った(とされる…

深夜

足元も枕も不安定で 巨大なハンモックに揺られている そんな夢を見ているのだと ぼんやり考えた 乾きの悪いトレーナーを 部屋干ししておいたのだが いきなりドサリと落ちてきた それで 揺れているのは現実だと ようやく心身ともに目が醒める ゆら〜りゆら〜…

繕い屋

ちくちくちく 幅も長さも深さも色合いも なんともとりどりなことであるのか ちくちくちく 思えばその理由も 決して一言では語れないだろうし 「誰に」「誰が」「何に」「何が」 「こうだから」「ああだから」 すっきりわかるものでもないのだろう 傷ついたわ…

それが恋なら

ゆめ、

あたたかくて さわりごこちがよくて うっとりするもの あるいは 遠いけどやれるかな 今までやってこなかったけど 始めてみよっと それか 時間かかるけど 誰かに咎められようとやってやる 自分のことで誰のことでもないんだもの いずれ誰かのためになるかもし…

心情の軌道

みししんみししん 心が軋む 心情の軌道は一定ではなく 甘いものや辛いものでどうにかなるのは よしとして ほんのひと言 ほんのひと笑いが 軌道をくねくね歪めるのだ みししんみししん 心が軋む 痛みのリズムは一定ではなく 泡立つ飲み物だの度数の強さで ど…

板チョコ

3かけまでよ 当時はその理由を知らなかったのだが おやつがチョコレートの日 育った家庭ではそんなルールになっていた 1個は寂しさが育ち 2個では欲が育ち(分ける知恵が育つとする説もある) 3個で我慢が育つ すなわちバランスのとれた大人になる 昔々…