猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

廃番

写真を見てひとめで気に入ったのだ。 確かに安くはなかったけど、えいやっと思い切って色違いで買った。 数年前のことである。 あまりに気に入って着倒しているものだから、少々傷んできた。 いろんな街に一緒に行ったな、などと感傷的になっている場合では…

明度

壊れていく人

あなたが壊れてわたしを忘れたのは あなたにとっては幸いな出来事です ああそれとも壊れたことにしておけば どちらも傷つかない なんて思いやりたっぷりな身勝手さなのでしょう あなたが壊れてわたしを忘れたのは わたしにとっては幸いな出来事です ああそれ…

いらない

土曜なんていらない 家に帰りたくない日、そんなことを考える 日曜なんていらない 誰も帰ってこない日、そんなことを考える 時は巡り月は巡り季節は巡り それでもたまに「いらない」と心がざわざわする 懐かしい苦さを伴いながら

まとめ買い

パスタのまとめ買いをした話を、どこかに書いた(検索してみたがここではないようだ)。 物価が上昇する前だったので、そろそろ底をつく。 年に一度強、という割合で我が家では事足りる。早速近いうちに取り寄せねば。 以前、友人が「お米を切らしたときや、…

買物

欲しいもの、叶えたいもの、全て見失った。 買うつもりのないスイーツ、まだ野菜庫にどっさりある野菜たち、なのに目に飛び込めば手に入れたくなる。 カゴに入れては出し、出しては入れ、そんなことを繰り返す自分に苦笑し、ネットスーパーに頼ればよかった…

反復と習慣

以前、こんなことを書いた。 sa-la-sa-i-poet.hateblo.jp+++ 確か、実践ではストレッチポールを使う軽い運動もあったように思う。 筆者自身、ここ数年かまぼこ型のストレッチポールにほぼ毎日のっている。「参加」記事より2年ほど遡る頃からだ。 これが慣れ…

例えば私の周りだけなのだから

例えば雨が降るのは 私の周りだけなのだから 閉じ込めるも物語に編み込むも 自由自在だ 例えば空が澄み渡るのは 私の周りだけなのだから 解き放つも夢をあきらめるも 自由自在だ 傘をさすもささぬのも 自由自在だ

充電器

チャージャーは有り余るほど、持っている スピーカー専用・スマホ専用・デジカメ用・クリーナー用 こんなにあふれているのに 心のための、とか 感情専用、とか そんなものは存在しやしない 時間が解決するよ、と誰かが呟き 時間は残酷だよ、と誰かが笑う チ…

勝手な生き物です

帰りの雨

推しさん目当てで出かけた1本の映画。 作品の中で、推しさんが辿る運命と背負ったもの。予告映像と主題歌のタイトルが解禁になった時点で予想していたとは言え、重く過酷なものだったとだけ記しておく。 空想映画のほうではないです 映画が終わり舞台挨拶イ…

終わりがくるまで逃げられない場所

ちょうどよかれと あてがわれたのは SNSでもなく劇場でもなく結局は 人生そのもので 終わりがくるまで逃げられない場所 だとわかっているならかえって気楽で だとわかっているからかえって気重で どちらかに傾いて 絶望と希望を繰り返すか塩梅を見つけるか …

怖かった。

ヘリコプターが怖かった。 まだ学校にもあがらない頃だったろうか。とても低く飛んでいるのか、モーター音が近く迫り、母の手を引っ張って「逃げようよ」と言った。 落ちかかる火の粉、そんな幻影をかすかに覚えている。 轟音が通り過ぎた。何事も起こらなか…

ある街にある人が引っ越した

まだまだ子どもで まだまだ夢いっぱいで 少ぉし背伸びが嬉しくて ちょびっと親にも秘密を作って そんな時代のお話 ある街にある人が引っ越した ある人とは幼稚園の先生で すご〜くすごく優しさと厳しさを 愛たっぷりに届けてくれた 素敵びと たまたまそうい…

断捨離と残り時間

本と服とレコードは お墓に持って行けないのだから 自分に何度も言い聞かせ 手放し続けた 部屋の中は空洞に 心は安堵に満たされる それでも何か捨てられないかと 数え続けるのが人というもの ある朝 数えるものがついになくなり 残り時間を数え始める 日めく…

趣味

昔の男は、歯磨きが趣味だった。 外国製のフロスや当時まだ珍しかった糸ようじを仕入れてきては、これで歯医者とは縁切りだ、などとほくそ笑むのが常であった。 結局は、やりすぎ、磨きすぎだとかかりつけ医に叱られるのがオチなのだが。 うまくいかなくなっ…

金色うさぎ

飴玉を頬に隠すみたいに 好き、を心に忍ばせる 花束を慌てて背中に回すみたいに あなたの名前、を忍ばせる せめて金色の うさぎになって いつか光の体になって 守ってあげたい 触れることも叶わぬのなら 飴玉を頬に隠すみたいに 好き、を心に忍ばせる 花束を…

差し入れ

不定期ではあるのだが、某所に差し入れるための小さなお菓子を探している。 分けやすくて食べやすく、互いに気疲れしない程度のもの。そして、日々の食事にひびかないもの。 超難題だ(^_^;) もちろん探すことも差し入れることも楽しいのだが あるとき、なん…

あの人を赦すより

それもあなたらしさだと まずは自分を受け入れなさい 道は続き 思いは紡がれ 優しくなれるひとときが訪れる それからだって遅くない 気づけたことに感謝を 想像力の鍛錬を 赦すも赦されるも やがては交わり溶けていく 深い傷と痛みを抱えて生きるとしても。 …

お互い様だよ

閉じられている場所での 振る舞いが 本質を顕にする どんなに隠したところで 選ぶ単語や文の端々に それらはどっかり横たわる お互い様だって 悪友が意地悪く笑う やっぱり、と笑顔を返しておきつつ ふたつの名を使い分けてるくせに そんなことを胸の奥の扉…

美味しくなかったもののこと

美味しくなかったもののことは すぐ忘れるくせに 嫌いになった人のことは いつまでも忘れられない ふたつ確保してひとつは凍らせて 味見してううん、と唸って それきり忘れて年末にびっくりするんだ 人のことは 人だけは そんなふうにいかないね どこに凍ら…

住所録のソフト

2年ほど前のことだ。 住所録を保存していたソフトが全滅した(T_T) ぼちぼち年賀状じまいでも、と考えていた折ではあったが、当時はプリンターの不調もあり、なかなか大ごとな年末行事と化していたのである。 それで、少しずつやめる方向にシフトして今に至…

tarte

4つの名があり使い分けている 友が胸はりそんなことを言う 3つじゃないのか?ばかだねえ、 みんなとっくに知ってるじゃないか いやいやこれからつけようではないか、とね 友はタルト生地が柔らかくなりすぎたとぼやきつつ 古風な物言いをする それは恐れ入っ…

だから、会うつもりもなかった。

話を聞いてほしいわけではなかった。 だから、会うつもりもなかった。 情けなさでよれよれになった心もちを、どうにかすっきりさせたかった。 ただ、そうしたかった。ひたすらに。 LINEしてみる。ブロックはされてない。 そういうことすら無頓着な人だから、…

愛がうるさい

愛しくて嬉しくて綺麗で輝いて だけどうるさい。それが愛だ。 降り注がれてるのに見えなくて 抱きしめてるのに伝わらなかった。 それが愛だ。 調子のはずれた音律のように 垂れ流されて疎まれてそれをも厭わない。 それが愛だ。 勘違いしやすく思い込みに傾…

洗えるアウター、洗ってもらうアウター

某ネットショップで、いわゆる「家庭で洗えるアウター」の取り扱いが始まった。 ここ数年のことである。 家で洗えるといえば、手洗いが主流だと思っていた。 だが、このショップの商品は洗濯機で洗えるのである。レインコート、ブルゾン、カーディガン、セー…

平熱

某所で無料コミックを読んでいたら、登場人物の体温が27度という設定だった それで思い出したのが、自分の平熱である。36.4〜36.5ほど。 なにしろ、この星では流行り病が数年に渡って続いている。 どこに行っても「ぴ!温度は正常です」「おでこ出してくださ…

いつかどこかの後ろ暗さ

あなたの知っている あなたのいい人も あなたの知らない 誰かのいい人も にこにこしながら悔しがったり メソメソしながら凛としてたり いつかどこかの後ろ暗さを思い出したり そんなものでできている

わたしの知らないはなし

マスクを捨てた 冷却シートは真夏用に少し残して 友達にあげた 熱冷ましの錠剤は 一箱だけ残して 心配性の親戚にあげた 大気はいつどうなるかわからないし 海も空も澱んだり霞んだり 大地にごろごろするなんて 今では誰もやらなくなった わたしは知らない そ…

どろりどろりとろりとろり

感情で生きている それがプラスにもマイナスにも 作用し続けて われをわすれる 感情に無関心になる それがプラスにもマイナスにも 作用し続けて われをわすれる 感情は生きている ひとときとして同じ形には とどまれないのだ どろりどろり とろりとろり とど…