猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

買物

欲しいもの、叶えたいもの、全て見失った。

買うつもりのないスイーツ、まだ野菜庫にどっさりある野菜たち、なのに目に飛び込めば手に入れたくなる。

 

カゴに入れては出し、出しては入れ、そんなことを繰り返す自分に苦笑し、ネットスーパーに頼ればよかったかと思うのはこんな折り。

 

願うこと、祈ること、全て忘れ去った。

神聖なる場所で、それでもなお頭を垂れている。何もいらないのです、と。

 

注意報も警報も何も、出ていない日。

鳥居をくぐるといつの間にか、小雨や強風に見舞われるようになった。

 

かみさま。

生きていることに感謝します、とだけ。

 

釘付けになる空も、釘付けにする人も、いつかは気体になる。

かみさま。

正直でいさせてください、とだけ。

 

買物して帰ろう。

何かが見つかっても、見つからなくても。