欲しいもの、叶えたいもの、全て見失った。
買うつもりのないスイーツ、まだ野菜庫にどっさりある野菜たち、なのに目に飛び込めば手に入れたくなる。
カゴに入れては出し、出しては入れ、そんなことを繰り返す自分に苦笑し、ネットスーパーに頼ればよかったかと思うのはこんな折り。
願うこと、祈ること、全て忘れ去った。
神聖なる場所で、それでもなお頭を垂れている。何もいらないのです、と。
注意報も警報も何も、出ていない日。
鳥居をくぐるといつの間にか、小雨や強風に見舞われるようになった。
かみさま。
生きていることに感謝します、とだけ。
釘付けになる空も、釘付けにする人も、いつかは気体になる。
かみさま。
正直でいさせてください、とだけ。
買物して帰ろう。
何かが見つかっても、見つからなくても。