猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

トーザ・カロット岬の毛糸屋さん-3

昔むかーし 今でいう猫という生き物に それはよく似た 二本足の生き物がおってな 島のはずれのなんとかいう岬で 毛糸屋さんを しておったそうな 不思議な毛糸玉を どこからか仕入れては ころんころんした手で そーっとそーっと おとさんように気をつけて 箱…

遠回りの理由

遠回りするのは もう5分だけ あなたと同じ風景の中に いたかったから 遠回りするのは もう2度と あなたとあの子の笑顔を みたくないから

ままごとのように

IDとPWでつながれた部屋で 僕らは出会って エラーが起きたと たやすく離れてく IDとPWで守られた部屋で 僕らは求め合い バグのせいにして 帰っていった IDもPWも手放してしまえば 僕らは2度と 嘘をつかずにいられるんじゃ ないだろうか 抱きしめあえるんじゃ…

白い花咲く黒い空

遠くに稲光が揺れて ゆっくり三呼吸ほど待つと 重い台車をころがすような音が 聞こえました ほそくほそく窓をあけて ひと呼吸ほど待つと うさぎたちの放ったカケラが こちらに向かって落っこちてくるのが 見えました 黒い空に ちいさなちいさな白い花が いく…

夢みていました

いまをかさねて 優しいいつのまにか が 出来上がる そんなひとでありたい 夢みていました 昔

それでも思ってくれますか

猫が爪をたてたように 内側から バリバリやぶれていく 猫がじゃれたように 内側から こんがらがっていく ふたりの日々は 髪を結うようにまとまったりしない それでも 会えてよかったと 1秒でも思ってくれますか

うそつきlovers

真夜中なら やさしくできるのに 顔を見たら うっかり傷つけてしまうだろう そうまでして隣にいて そうまでして背中にもたれて 大切なふりして 心を飾って 嘘をキャッチボールしてる 明日なら やさしく笑えるのに 声を聴いたら 泣いてしまうのだろう そうまで…

桜〜空想版「咲く散る」より

心がこわれそうなほどの やさしさとかなしさを からだじゅうにたたえた 花 月夜には 特に注意が必要

鼓動~空想版「フシギナカラダ」より

命に属しているが 人においては別の生き物だと 言われることがある もしくは 心の状態を指す言葉として よく使われる

絶滅危惧種だって

絶滅危惧種だって 誰かを一途に思って 誰かのことを泣いて 誰かのことを愛しく抱くこと 時代遅れなんだって 遠回りすること 不器用で必死になること 空を見上げて微笑むこと みんな忘れていくんだって この星が青かったこと じぶんが人だってこと 空に海に帰…

こわれる前の夢みたいに

ただの思い過ごしかと 生命線にふれました 好きになる それは 好きにされる 好きにする そんな危うさと絶望で こわくなることです ただの思い過ごしかと 運命線にふれました 好きになった こわれる前の夢みたいに 雨がやむ前みたいに やさしい恋でした

生真面目びより

どしゃぶりです 迷子です 心細いのです 雲が見えません 悪い子です 得意げなのです 空にふれました 悟ったふりです やさしくなれないから

月曜のうそつき

月曜のうそつき もしかしたらにわか雨 出会いたてのあたしたちみたいに 洗いたてのハンカチみたいに 月曜のうそつき もしかしたら忘れ雪 おろしたてのパンプスみたいに こぼれる前の涙みたいに 月曜のうそつき もしかしたら絵空事 のみほしたカフェオレみた…

まるで自分のことみたいに

かみさま 星に食べられても 悲しくならないように 今だけ甘えてよいでしょうか かみさま 星を食べても 後悔しないように 今だけ泣いてよいでしょうか かみさま 星が青さを失っても 心が凍えないように 明日を祈ってよいでしょうか 遠い遠い明日のことを まる…

いつかの春の

背中をくっつけあって もう暑いよって照れた 淡いピンクの花より 心がふわふわして 人も雲も飛び越えられたね 恋人つなぎして 汗でちゃうよって照れた こぼれるピンクの花より 体がほわほわして 心も時も飛び越えられたね 好きを疑わなかった 若さを疑わなか…

素・気/気・lie

好きを作ってるのは たぶん 素・気 嫌いを作ってるのは 気・lie なのかも 未来とか人生とか そんな会話は忘れてしまって どうでもいいことばかりが わたしたちを ほろ苦く壊していったのです

honey

夜も昼も生き方も コントロールされてる 6角形の窓にしがみついたまま それでも幸せいっぱいだ そう信じこむ日だって ある

mint green

ミントグリーンの夕焼けなんて ひさしぶりです 出会って10年 丁寧な口調は今も変わらない ミントグリーン…? ほら あなたにも見えるように してさしあげます その人はいくつかのキーボードを たたいているようでした カタカタと心地よく響いています 目を閉…

ふたりで見たはずの空

空が一瞬燃え上がった 夕焼けなんて 甘い響きじゃなく 空は確かに燃え上がった あなたも昨日 見てたでしょうに なかったことにするのですね 100歩ゆずって 同じ夢を見てただけだと ふたりで昨日 見てたでしょうに なかったことにするのですね 空がいっそう燃…

あなたにもっと

言葉も感情も 脱ぎすててしまいたい あなたにもっと触れたいよ 素肌より深く 触れていたいよ

鼓動だけは別の生き物

鼓動だけは別の生き物 そんなこと思ってた 鼓動だけはなんて勝手なんだろう そんなこと嘆いてた 心のカケラさえ 唇の動きさえ 自分のものじゃないようで 淡く咲く花を あなたの肩越しにみつめてた

おはようと一緒に

決め台詞を忘れたヒーローたちが 大勢いる 季節にすらとまどえない僕たちは エンドロールだけの映画みたいだ 空が探せなくて 風を忘れた日 涙がくやしくて くちびるをぎゅっとかむ そんな街でも ただいま 大好き ありがとう ごめんね 大丈夫 君に届けに行くよ…

たったひとりの

たったひとりのあなたと出会ったことは どんなに幸せだったでしょう あなたにとって ほんのひと時だけでも わたしはそうであったなら ふたりの中でお互いが消えてしまっても かまわないと思うのです さびしくても微笑んでいられるのです

からだが少し熱いのは

からだが少し熱いのは 夢から這い出したばかりだから いくらでも甘く惜しげもなく 舌は自由に思いを操れた まぶたが少し重いのは 夢に舞い戻ってみたいから いくらでも強く惜しげもなく 腕は自由にあなたを抱いた 舌が少し苦いのは 夢がこちらにこぼれたから…

青かった星の上で

そらをながめるために 下を向いた 上を向いても さらさらと音がするばかりで ああそうか そらは下にあるのだと 今さらながら知った そらをながめるために 下を向いた だけどやっぱり さらさらと音がするばかりで ああそうか 人も鳥もいないのだと あたりまえ…

春のあわれ

春のあわれ 孤独を唄うには さびしすぎない季節です 春のあわれ 恋を歌うには 静かすぎる季節です 春のあわれ 誰かを信じるには ちょうどいい季節です

ぼくのかわりに風が黙りこむ

ぼくのかわりに風が黙りこむ にぎやかなままの距離感 壊したくないぼくのかわりに 風が急に黙りこむ さっききみが宙にはなった もう終わろうよ かき消したいぼくのかわりに 風が黙りこむ にぎやかなままの距離感 包まれていたいぼくのかわりに

言葉交わしの

最後の1行を 探すことをあきらめて 散歩にでかけました うさぎにじっと見られたり 猫に道を訊かれたり 雲が砂っぽい風をよこしたり するものだから 心も半分ぐらい 家に置いてくればよかった 軽く後悔しながら歩いておりました 桜もまだで 雪も散らつくこの…

トーザ・カロット岬の毛糸屋さん-2

びゅうびゅうと 耳たぶが持っていかれそうな風が 今日もトーザ・カロットの岬に 吹いています 学校はちょっとたいくつ 先生の授業は興味深いけど 父親より口うるさくて 心のなかでときどき あかんべーしちゃいます そういえば 漆黒の闇色の 毛糸が入荷しまし…

なまくらなままの

なまくらなままの自分を ちぎって そのへんにばらまいてみた なまくらなままの心を けずって すれ違いざまふりかけてみた 甘えてみたい 抱かれてみたい 知ってか知らずか この星は なまくらなままの恋を抱えて 青く青く回転を続けている