最後の1行を
探すことをあきらめて
散歩にでかけました
うさぎにじっと見られたり
猫に道を訊かれたり
雲が砂っぽい風をよこしたり
するものだから
心も半分ぐらい
家に置いてくればよかった
軽く後悔しながら歩いておりました
桜もまだで
雪も散らつくこの季節
どうしても泣きたくなったり
どうしようもなく笑い転げたり
人はそんなふうに
上がったり下がったりしています
言葉交わしの人交わし
かけ違いの仲違い
春と上手にすれ違えれば
どんなに楽だろう
グレープフルーツみたいな
夕日と一緒に
それでも今日を帰ります