猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

言葉交わしの

最後の1行を

探すことをあきらめて

散歩にでかけました

 

うさぎにじっと見られたり

猫に道を訊かれたり

雲が砂っぽい風をよこしたり

するものだから

 

心も半分ぐらい

家に置いてくればよかった

 

軽く後悔しながら歩いておりました

 

桜もまだで

雪も散らつくこの季節

どうしても泣きたくなったり

どうしようもなく笑い転げたり

 

人はそんなふうに

上がったり下がったりしています

 

言葉交わしの人交わし

かけ違いの仲違い

 

春と上手にすれ違えれば

どんなに楽だろう

 

グレープフルーツみたいな

夕日と一緒に

それでも今日を帰ります