猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

歩数アプリ再び

歩数アプリをやめた話を書いた。 その後、やはり不便を感じたのでシンプルなものをひとつ入れることにした。 ヘルスケアと紐づけるだけなのだが、5000歩ごとにクジをひくことができるらしい。 ただ、スマートウオッチを持っていないため、iPhoneを持ち歩いて…

歌い慣れたメロディを通い慣れた道の途中で

唇が喜ぶまで あなたの名をつぶやく 歌い慣れたメロディを 通い慣れた道の途中で 腕が懐かしむまで あなたの背に手を回す 歌いそびれたメロディと 歩き疲れた桜並木で ランキング参加中詩

脱ぎ散らかす

まずは服を脱ぐ 上着も下着もすっかりと それからおもむろに背中に指をかけ あとはいつもと同じように 綺麗な感情と汚れた感情を 少しだけ残して あとは記憶の底に沈めた それから 自分も同じように湯船の底に沈んで ふわふわと眠る まずは服を脱ぐ 上着も下…

くらう

春は多分 去年よりずっと短くて あなたを見つけるのは至難の業だ 出会ったら最後 喜びに震えながら その黄色い体を引き裂くのだ そうして次の春までの間 あなたはわたしを構成するものになり わたしはまた渇望を繰り返す 待ち遠しい狂おしい あなたを引き裂…

頓挫も楽しい

できるだろう。 なんとかなるでしょ。 そうたかを括って模様替えが頓挫している。 実はベッド以外にもちょっとした家具を購入したのだが、我が家の取り付け場所が古すぎて対応していなかったのだ。 サイズだけではわからないこともある。梱包を解いてしまっ…

恋をするなら

嫉妬するなら美しく 恋をするなら躊躇わず 傷つけるならあどけなく 傷つくなら後腐れなく ランキング参加中詩

たとえば

好きなことにまで鈍化するようじゃ 面白くはないでしょう 生きているんだもの 星を踏み締めて ランキング参加中詩

二日前を目指して。

筆者の住む街では、ゴミ収集の日が週に何度か巡ってくる。 可燃ごみ・不燃ごみ・生ごみ・資源ごみなどと、自治体により名前は違えど、指定の袋にいれ定められた曜日・時間に集積所まで運ぶという決まりごとになっている場合が多い。 夏場はおすすめできない…

息ができなくなったとき

息ができなくなったとき あなたの手を握っていたかった 喉が塞がったとき あなたの背中にしがみついていたかった 言葉を失ったとき あなたを抱きしめていたかった あなたを忘れかけた今 あなたの鼓動が蘇る ランキング参加中詩

空を拾う

慎み深く空を拾う 用心深く開く傘は 僕と外界を程よく隔ててくれた 思慮深く色を集める 辛抱強く重ねる言葉は 僕と心を程よく乖離させた 用心深く体を重ねる 嘘をつく理由なら 僕ときみが出会った言い訳ぐらいには できるだろう ランキング参加中詩

春休み

休みなんだって 何が 人生が でも続いてるよね でも続くんだよね 途切れたら 途切れ、たら… 後悔しないの 後悔しない 会えたから 会えたもの 生きて 生きたから ランキング参加中詩

心殺すくらいなら

立ち尽くすだけなら 埋もれてしまえばいい 恋が終わるぐらいなら 散ってしまえばいい 心殺すくらいなら 狂ったように歌えばいい あなたを許しながら ランキング参加中詩

雨の午後は恋の前ぶれ

小狡さと愛らしさは 紙一重なるかな 汚(けが)れと草臥(くたびれ)も また 意味も意地も同時進行できるくらいに 曖昧な顔を装い 嘘つきなのは救われたいからなどと もっともらしくつぶやいた 晴れた朝は雨の前ぶれ 雨の午後は恋の前ぶれ 恋は別れの前ぶれ 生…

愛を届ける人

これみよがしにふりまくよりも 根深くじっとり憎むように 愛を届ける人になりたいのだ 奥底からとりだすのだから もうどちらでもない 区別もつかない 言葉ですらないものを 後生大事にしたところで 一生きみには届かないのだ ボルトを締め上げるような 伝え…

空を見上げる

哲学にはとらわれず ころべばまた立ち上がり 罵詈雑言には哀れみと俯瞰で 遠くに迷えば近くを踏み締め 思いが曇れば空を見上げる 寄る辺には偏らず つまずけば飛び越え 美辞麗句はその場限りの 遠くに憂えば近くに溶けて 今日が暮れれば空を見上げる 満ちて…

愛の一欠片も

愛の一欠片もなかったと断言はしない 立場が逆転するのを恐れていたのだと 今になってようやく理解する 母の日も父の日も 「あれは百貨店の戦略でしかない」 と教えられ 学校で「お母さんお父さんにお手紙書きましょう」の宿題は 学期が終わってもなお終わら…

心もよう

しまいこんだのはちょうど去年の今頃 わたしはまだ はじめましてを知らなかった とりだしたのはちょうど半年前のこと わたしはまだ その言葉を知らなかった かたづけようと決めたのはちょうど3日前のこと わたしはまだ その時間を抱きしめていたかった ラン…

続・工程をひとつずつ

昨日の続き。 Twitterを眺めていて、「お仲間がそこかしこに」と勇気づけられた。 すなわち「ベッド組み立て中」「これから組み立てなければ」という呟きを多く見かけたからだ。 年度末から年度初め、人も街も活発に動いていく。新しい住所での寝具としてベ…

工程をひとつずつ

念願のベッドを購入した。 今までのような体の沈み込む(汗)ソファベッドではなく、正真正銘の組み立て式ベッドである。 格安で販売されており、サイズも丁度良い。 久しぶりのベッド。今の住まいに引っ越してきてからは、ソファベッド以外では初めての購入…

春わずらい

ランキング参加中詩

幸せびとの嘆き

褒められることなく大人になった せめて笑っていようと決めて 隠れるように大人になった そのうち 人になりすますのも猫になりすますのも 詩人になりすますのも すっかり飽きた それでも死に物狂いで 幸せな人になりすます ランキング参加中詩

桜を知らない人の手

その春 桜のない土地にいて 桜を知らない人といた その春 桜は蕾のままだったらしいよと 桜のない土地の人から聞いた その春 桜は枯れたんだってと 桜を知らない人が嘆いた 桜のない土地で わたしは桜に焦がれる 桜を知らない人と手をつなぎ 美しいんだよ、…

やっぱりそれでも

いくじなしで怠け者で怖がりで そのくせ意地っ張り それらを「慎み」と言い換えただけの 昔のあたしなんぞ 綺麗さっぱりすっかり無くしたはずなのに 前進あるのみ! 心も体もノリにのって誰かの些細な悪ふざけすら どうだってよくなった だのに 何もかもが順…

彼とあたし

彼は年上だった。 10歳を越えてなお、仔猫のように甘えた。 彼は年上だった。 あたしよりあとに生をうけたのに。 彼は年上だった。 あたしの膝が大好きで、遠慮がちに見上げては短く鳴いた。 彼は年上だった。 深い緑の瞳でじっとこちらを見ていた。 ランキ…

忘れるため、忘れないため。

舌先は苦さを忘れるため 爪先は涙を隠すため 指先は嘘をつくため 背中は温もりを忘れないために。 ランキング参加中詩

指先

指先を思い出に浸しながら 雲と風を求める やさしさと甘さを見分けられても 愛に含まれた苦味を 未だ理解できない 夢と妄想を見分けられても 悲哀に含まれた愛を 未だ理解できない 指先を思い出に染めながら 雲と風を求める せめて呼吸を忘れぬよう 奥底から…

やめた。〜その3

持ち続けることをやめた話(“待”ではないが、通ずるところはあるかと)。 わけあって、両親の持ち物を一時的に預かっている。 狭い我が家がもっと狭くなった 例え、血縁者の見知った持ち物であったとしても、自分や家族のものでない何かに侵食(?)されるこ…

手帳

ピンクの表紙を選んだから あたしの衝動は忘れ去られ 赤の表紙を選んだなら あたしは心を決めていた 緑の表紙を選んでいたなら 生真面目に振る舞ったかしら 青の表紙を選んでいたら 涙に暮れていただろうか ランキング参加中詩

夢の在り処も知らない

3月 肩が重い 背中の翼をもぎとられたせいか 使いこなせず 役立たずの夢とやらを 夜に紛れて捨ててきた だからなのか 3月 肩が重い 背中の翼をもぎとられたせいか 悔いるには早すぎるが 夢を抱けば傷ついて そのくせ笑顔は爽やかだ 言葉を尽くすすべを知らな…

皮膚

怒りは皮膚を食い破り 嫉妬は皮膚を食い散らかし 悲しみは皮膚から滲み出て 喜びは皮膚を艶めかせる ランキング参加中詩