猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

彼とあたし

彼は年上だった。

10歳を越えてなお、仔猫のように甘えた。

 

彼は年上だった。

あたしよりあとに生をうけたのに。

 

彼は年上だった。

あたしの膝が大好きで、遠慮がちに見上げては短く鳴いた。

 

彼は年上だった。

深い緑の瞳でじっとこちらを見ていた。