猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

右を見れば絶望 左を向けば夢 振り向けば希望 未来には後悔 進んで戻って躓いて崩れ去って 何も必ずの夢じゃなくても 何も必ずの幸せじゃなくても 何もあなたの言葉じゃなくても なのにどうして選ぶんだろう 惹かれてやまないのだろう

実は俺

即興詩人ではない、あり得ない、なり得ない まあ まあまあまあ まあまあまあまあ あははは (そりゃそうだ) 家族に笑われ友人にポカンとされ 自分でも納得はしているが じゃあせめて 素っ頓狂詩人ならどうか ぷぷっ 仲間との 酒の肴ぐらいにはなりそうだ あ…

(い)まだ

わたしは未だ宇宙の底で 泳ぎ方も漂い方も知らないままだ わたしは未だ宇宙の底で 傷つき方も喜び方も知らないままだ わたしは未だ宇宙の底で 泣き方も笑い方も知らないままだ

晩夏の冬支度

百貨店はこっくりした色合いの服であふれ、劇場には少しだけ物静かな作品がかかり始める。 朝が遠く夜が長い。しみじみ実感する日が増えれば、冬支度の合図。 たとえ、昼日向の夏日が続いたとしても。 早いうちから冬支度を始めるようになったのは、ここ数年…

それがあたしのイントロダクション

糸を染める花を探そう 明日は早起き つまりは しっかり食べてしっかり動いて よく泣きよく笑う1日にしよう それがあたしのイントロダクション 余計なことは重ねておけばいい いつか朽ちていくだろう 悲しくても苛立っても それは素敵なスパイスで 極上に命…

宇宙がうるさすぎるから

宇宙がうるさすぎるから あたしはどんどん薄くなる 宇宙がうるさすぎるのは 誰のせいでもあるまいに 宇宙がうるさすぎる日の 過ごし方なんて知らないくせに ああだこうだと押し付ける みんながみんな内にも外にも宇宙を信じて 笑ってくれたらよかったのだけ…

準備

ようやくあきらめがつく九月夜 夏をすべて記憶から追い出し 秋を迎える準備に余念がない ようやくあきらめがつく九月夜 あなたをすべて記憶から追い出し 生きる準備に余念がない ようやくあきらめがつく九月夜 ため息すべてを記憶から追い出し 夢見る準備に…

ケンカ

本音はどこか 本心はどれか かみさまあくま しょうじきうそごと 天と点 織り込まれ寄り添われ 真実はそれか 悪意はここか 誤解も理解もかやの外

秋を恋う

秋を恋う秋を恋う 厭われても失われても 秋を恋う あなたを思って泣く心 なのに じぶんのことはさっぱりで やはりどこかが壊れているか やはり何かが違ってきたか 答え知らずの愛憎なんぞ お腹の足しにもならないわ せめて 秋を恋う秋を恋う 厭われても失わ…

春を懐かしむのは罪

2度と手の届かない 今年の春を懐かしむのは罪だと ぼやいてる 今を生きる覚悟も 昨日への感謝も どこか尖りすぎて手渡すのは一苦労だ 遺せるだけ幸せだとしても 残されるものの哀しみをなんとしよう 2度と手の届かない 今年の春を懐かしむのは罪だと ぼや…

シラズシラズ

否定と後悔に囲まれ わずかな未来を無理やり永遠と呼んだ 嘘は嘘を生み出して 知らず知らず心身を蝕んだ 時が解決できること 時が解決できぬこと 幼い頃から気づいては傷ついて うちなる子どもを起こさぬすべばかり 上手くなる 「それでもいいよ」と君は去り…

ものすごくうすらぼんやり

英語、ラテン語、スペイン語、イタリア語。 ドイツ語、ロシア語、中国語、フランス語。 話せはしない。 しっかり読めもしない。 あるときは歌詞として覚えたので、ほんのいっとき妙にヒヤリングや発音がよくなる、ということはあるものの、本当の本当に“一瞬…

いまはいらない

ストラップが邪魔くさくて 僕は猫のように不機嫌になる 画面のヒビは誰のせいだ なじる相手も今はない 割れそうな指先 割れそうな心 甘さと苦さは今日も背中合わせに 肉体が邪魔くさくて 僕は×××のように不機嫌になる 画面のヒビは誰のせいだ なじる相手も今…

別れ

あなたは いつもわたしと一緒にいるのです 生きていようがそうでなかろうが たとえ多次元でも たとえ異次元でも 概念がどうであれ 宇宙空間の外には行けないのだから 祈るように願うように儚く淡く あなたはわたしと一緒にいる 永遠に触れ合えなくても

大きな大きなお団子

あの人の声が好き あの人の言葉が好き 言葉尻をつかまえては こっそりダイアリーに書きつける あの人の髪型が好き あの人の背中が好き 隠し撮りしては こっそりファッション真似てみる あの人が好き 寝ても覚めても大好き なのに誰にも言えなくて あたしは大…

素通りの記憶

あの人もこの人も 後退りするように消えていき 今日がなんの日だったのか もう思い出せない それは幸せだねえと 誰かが笑う 嫌いな人のことを思い出さなくて よくなったんだもの 好きな人は今この瞬間から見つければいいのだし うん かなり幸せだよ羨ましい…

親切拒絶

「引き返して」 「ページを閉じて」 「見ないで」 お悩み相談掲示板 きっと優しく気遣いの人ほど 親切心で拒絶する 「スルーして」 「読まないで」 「回れ右してね」 お悩み相談掲示板 きっと優しく気遣いの人ほど 柔らかな言葉で拒絶する それが誰かを傷つ…

気まぐれ80%

気まぐれと生真面目を パリパリ割ってさ 板チョコ無造作にって感じね それをトロ火にかけてよくよく混ぜて それでまた 冷やし固めるでしょ それが あたしなんだって教えてくれた人がいる いやぁ…それってだいぶ どっちかっていえば褒めすぎかもよ ありがと(…

変わり目縁切り

自分と折り合いがつかなくなっているとき 季節の変わり目 人との別れ目 そんな折、決まって心身ともにデトックス状態に陥る 体調が落ち着く頃 酔いからさめるような後悔が走ったり かと思えば妙に体が軽く 次の段階へ何かが進むことも多い 心と体は密接だと…

日曜

壊したいほど日曜が疎ましくて なのに どこか待ち望んでいる僕がいる 閉じ込めたいほど日曜が疎ましくて なのに 壊れてみたい僕がいる 待ち望んだって理想の日曜は来ないから なのに無理やり 幸せ装う僕がいる

夢と人生-3

空想が好きな子どもで、 「死ぬって川を流れながら空を見ることだな」 とか 「この森は私を理解してくれてるよね」 とか ほかにも 近しい大人らが知れば心中穏やかではなくなるであろうことを 顔色ひとつ変えず年中思い浮かべていた 詩を書く人生になるとは …

集団催眠

いっそのこと 単なるそれで時の経過でだんだんさめるのなら いいのに だけど 世の中全てそうなら 術にかからなかった人はどうなるんだろね こわいこわい

サボテン

わたしは あなたではなく あなたになることもできない だからこそ 空想力も想像力も存分にふくらませ わきまえるか ぐいぐいいくか 思いやりとか やさしいとか もしかしたらとか 反射神経も大切 ブレーキも大事 バランスとっていきたいもんだ どうにかこうに…

ちょっとだけ惜しいと思ってる

せみがかすかに コオロギは切なく マツムシは高らかに 鈴虫は悲しげに それでもまだ 冷麺は美味しくて それでもまだ サイダーブルーを信じて 見つめる先には小さな入道雲 せみがかすかに コオロギは切なく マツムシは高らかに 鈴虫は悲しげに そしてあたしは…

忘れもの

スマホにメモしたのだったか 手帳に書き込んだのだったか いやいや乗り換えの時 あの電車の3両目 今時珍しい網棚にのっけてそれっきり 憎む元気と愛する余裕 を こんな時代だから誰も興味は抱かないか それとも届けてくれるだろうか 昔々の良き良き世界のよ…

買わなくなったもの、または買わなかったもの-12

ごくたまに一番小さい容器を購入する。それでも使い切るのがやっとだ。 マヨネーズとトマトケチャップである。ほとんど買わない生活になって数年が経った。 ポテトサラダが嫌いなわけじゃない。 オムライスが嫌いなわけじゃない。 サンドイッチやバーガーに…

音律も拍動も届かない場所

音律も拍動も届かない場所なら あるいは あまりの暑さとあまりの悲哀に なんだか そんなことを夢想する 遠くて美しいものは 世の中あふれかえっているけど 触れるほど身近になれば すっかり慣れ親しんでしまうのだ 音律も拍動も届かない場所なら あるいは 孤…

金曜のラジオと僕と君

金曜のラジオは苦手で 導入したての有線に切り替える はしゃぐでなく 笑い飛ばすでなく ただ音楽がいつまでも 空間を満たし続けるのだ 自己嫌悪に陥る日 元気のよいパワフルな明るさがつらくて 導入したての有線に切り替える ただ音楽がどこまでも 精神を満…

ふこうを嘆くことはしあわせを嘆くこと

ふこうを嘆くことは しあわせを嘆くことだと 今朝もきみに笑われる あなたといることがしあわせじゃないとは 思ってないけど ふこうだって同じ場所から生まれるでしょ そうだよ 隣り合わせどころか 混じり合ってひとつになっていくものだ きみとこうしていら…

崩壊寸前

ザラザラの感情が空気中に満ちるので 夏はきっと崩壊寸前なのだ ヒタヒタの愛情が空気中から消え去るので 夏はきっと崩壊寸前なのだ 誰がなんと言おうと 今年もやっぱり秋がきて あっという間に見えなくなる けれどそうかきっと 秋も崩壊寸前なのだ 違いない