猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

今度会えたら

今度会えたら きみにあげる 置いてきぼりの想い出と これからの幸せと 今度会えたら きみにあげる ありがとう 今日をありがとう

12番目に苦手なこと

では 12番目に苦手なこと そこから手をつけてみよう ほんとは苦手じゃなくて 触れようとしなかった そんなわけなんだ きっと

やさしい夜

夜にやさしくなれるのは 秘めごと香るときだから 夜がやさしく香るのは あなたの隣にいられるから

それでも明日は紡がれる

泣き方がワカラナイ 笑い方がワカラナイ 足もとは 不安気に傾いで こっちを見てた 愛することは難しくて 憎むことはたやすくて 手元から ぽろぽろこぼれていった 泣き方がワカラナイ 笑い方がワカラナイ だけど それでも命は続いていく それでも明日は紡がれ…

明日がこないかのように-1

明日はこないのだと 今日が終わりなのだと 時々思い出しながら 今に感謝する

雪が春を

雪が春をかじったら ちょっぴり季節があと戻り 雪が春をかじったら ちょっぴり桜も縮こまる 雪が春をかじったら ほっぺがひんやりするけれど 春をかじっていく雪の なんとやさしいことでしょう

欲念に包まれ

ただの一言がこんなに たくさんの意味を孕んでいることを 傷ついてから知りました やわやわと ふらふらと傷つきて それでも あなたに染められたい それでも あなたの隣にいたい

ぽつんとひとつ

体がひとつ ありました 心がひとつ ありました ぽつんとひとつ 手の中に 愛も憎もひしめいて 体がひとつ ありました 心がひとつ ありました ぽつんとひとつ 命の中に 闇と光がありました

なんでもない日が始まって

なんでもない日が始まって なんでもない日が暮れていく なんでもない日はうれしくて なんでもない日はさびしくて 気持ちの粒子がこぼれるようで なんでもない日に散らばった なんでもない日はあたたかい なんでもない日がまた明ける

言葉にならない 悲鳴の残骸が はらはらくずれおちた 憤怒はこうしていつも あたしをころす 心が煮え立ち あたしはむなしいモノになる 煮え湯に溺れるモノになる

からっぽのススメ

虚ろになるより からっぽになろう 詰め放題も 悪くないけど どしゃぶりみたいに からっぽになってしまおう 全部 ぜーんぶ からっぽになって そこからまた 始めればいい

歩いていくから

おびえた時間が 重なるから きみが強くなるわけじゃなくて おびえた時間が 過ぎ去るから きみが変わるわけじゃなくて おびえながら泣きながら 歩いていくから 何かが見つかったりするんだよ

遠く、近く

明日あなたと 逢える気がした 空が 届きそうだから 僕の爪先に 約束も確信もないけど 空が 触れそうだから 僕の踵に

そらに

空に鳥が流れている 雲が瞳を満たして 風を抱き寄せた日 哀しみだけが 隣に腰かけていた日 いつものように 隣にいた日

O(zero)

掬えるくらいのさびしさと 手にのる程度の哀しみと かすかに聞こえる 幸せの兆し それもまた良きもの

君はまだ

あの日の雨が またやってきたね 心にまだ 君は傘をさしているの? 誰かを責めるかわりに 泣き叫ぶかわりに 君はまだ 心に傘をさしているの? 今日もまた 今日もまだ 君の心には 傘が揺れているの?

恋の終焉

握りこぶしひとつぶんの 涙と血液 手放すほどの覚悟が あればいい そうすればきっと 明日も

昨日に何かを置き忘れ

昨日に何かを置き忘れ 取り戻すことも出来ぬまま 先へ先へと歩いて行く それでもいつか 昨日と今日が溶け合って 明日が生まれる夢いだき 取り戻すことも出来ぬまま 先へ先へと歩いて行く 命が先へと 歩いて行く

帽子の中

帽子の中に隠れたウサギ 誰にも声をかけられたくなくて 頭から隠れたよ 見たくなかったこと 見たくてたまらないこと ざわりざわりと混ざり合うのが怖くて 大急ぎで帽子の中に隠れたよ 誰にも声をかけたくなくて 頭から隠れたよ 帽子の中に隠れたよ

赤いわたし 青いわたし

赤い姿と青い姿 どちらもわたしで どちらも気紛れ 交互に微笑む そんな顔 丸い心と四角い心 どちらもわたしで どちらも強気 いつも居場所を 手なずける 冷めた気分と熱い気分 どちらもわたしで どちらもひとり 時にわがまま まきちらす

さかなの顔した

さかなの顔した 鉛筆がころがって にやにやと笑ってやがる 二言目にはこうだ 次はどんな嘘を 紡ぐのかい? どんなだまし絵を 描くのかい? 夢の中まで 問いかけてくるのさ 空虚と充実の狭間で

願い

バラバラになったわたしを どうぞいつか 拾い集めてください はらはら散って 消えそうになっても どうぞいつか 拾い集めて下さい ひとつ残らず集めても わたしの影のほうが まだ真実に近いのでしょうが どうぞいつか 粉々になったわたしを 拾い集めてください

春の訪れ

心臓をくすぐるような 子らの声がして 春の訪れを 知る

幾度も

水ぎわの想い出が歪んで 背のびをした未来が 振り向いて笑った 正しい答えは 思い描くものと いつも少し違っているから 繰り返すしか出来なくても 繰り返すことに意味があるなら 幾度も 幾度でも 例えば そこに生まれる何かがあるなら 幾度も 幾度でも 描き…

失くしたものだと言い張って

優しい単語を 吐き尽くして 存在感を束の間味わう 甘い単語を 吐き尽くして 絶望感を永劫いだく それならいっそ こぼれたものを それならいっそ 隠したものを 隠した言葉を さも 失くしたものだと言い張って 踏み固めてしまおう 誰かに見つかる前に 吹き消し…

わたしを産み落とすまで

ふりかえっても 見上げても わたしはもういない わたしは まだ生まれても いない まだ生まれてさえ いない だから 誰でもない わたしを産み落とすまで もういないわたしと 生まれてさえいないわたしを 抱いて生きている

あなたに嫉妬する

わたしはあなたに嫉妬する 若く夢にあふれた美しいあなたに わたしはあなたに嫉妬する 老いてなお気力にあふれ輝くあなたに わたしはあなたに嫉妬する 笑顔をたやさず涙を惜しまないあなたに わたしはあなたに嫉妬する あなたの感情の豊かさと言葉の引き出し…

春が哀しいのは

春が哀しいのは 終わりとはじまりに みちあふれていて それで 涙が流れるから

きっとそうなんだね

哀しみの速度も 喜びの速度も ほんとは同じ 哀しみだけではなく 喜びだけでもなく ほんとは同じぐらい 抱えているんだね きっと誰でも 抱きしめているんだね

哀しみ

いつか 空と溶け合うその手は いつか 離ればなれになりそうで まだ今は青い その色を胸に焼き付ける