猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

それな

ふだんごとがこんなにいびつになったと 友人がLINEをよこす 添えられた画像には 炒飯が三口ほど 和風パスタが半人前 ポテサラが一口分と 野菜の煮浸しがたっぷり ランチョンマット代わりの大皿に とりどりの小皿と半端で愛しいおかずたち 「いびつで愛しいね…

引越し魔

ほんの数年前まで、ブログの引越しに情熱を注いでいた。 引越しの理由はいろいろだ。 例えば。 ・飽きた ・ほどこしたCSSが機能しなくなった(仕様が変わった) ・ジャンルにそぐわない記事にペナルティが科されるようになった ・ストーキングまがいのアクセ…

トーザ・カロット岬の毛糸屋さん〜雲ちぎりのシロップ、仕込み〜

落ちることを すっかり忘れた空ですが たまに 低く低くたれさがってくることがあります 雲ちぎりのシロップを 漬け込む季節がやってきたのです 暑くも寒くもない素敵な日 猫の足で15分 毛糸屋の店主は雲ちぎりに出かけました ビンを抱えて 丘の上に腰かけて…

安眠のための新しい習慣

さく、さくっ。 飽かずにくりかえす、単調な動き。 妄想の中で、ぬるぬるどす黒くなっていく。 さく、さくっ。 何度も何度もくりかえす。 妄想の中で、すでに僕の器はなくなっている。 さく、さくっ。 どれほどくりかえしただろう、眠気が襲いかかり、 夢と…

なんと、なんと。

「多い」は「正しい」ではないが 「正し」そうに見えるだけで 「増え」たり「広がっ」たりする 「流す」より「流れ」るのは楽で 「流れ」は存外に速い きみの指先も ぼくの指先も なんと罪作りなことだろう 「少ない」や「珍しい」は 「かき消」されるか「大…

再会できるなら

先々で再会できるなら それでよしとしよう 今日になって そんな思いが胸に落ちてきた きみが失われて どれぐらい時が流れたのか 日記をつける習慣もなく 住所もLINEのIDも 結局は誰にも教えないまま 空以外とは距離をおく 先々で再会できるなら それでよしと…

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僕と猫

シャーッとカーテンを開ければ 風にあたっていた猫が ゆっくり瞬きした 長いこと 僕の話し相手は猫だけで 耳を満たすのは 昔カーラジオからあふれてた 切なすぎる歌ばかり 不思議を不思議と感じなくなって 恐怖が自分の影だと気づいて 悩みには寄り添えばい…

我らの日常

すでにマスクに慣れ親しんで 携帯用消毒セットも 必携の世の中である 混雑マップを開いたところで 自宅を避けるわけにもいかず 何をどこまでガードすればと わだかまりはいつ消えるのか すでに黙すことに慣れ親しんで アクリル板も 黒々とした都会も必須の …

ぐうたら

イラスト:RF素材

残酷で幸せな食卓

星を喰べる 好むと好まざるとにかかわらず 僕たちは 星を喰べる 生きているものたちにとって いや 生きていたものたちにとっても まぎれもない事実 これほど平等なことは 他には見当たらない 星を喰べる 好むと好まざるとにかかわらず 僕たちは 星を喰べる …

常連客

冷ややかな胸の内を 隠したまま おずおずとドアを開けた 見知った顔たちが 距離をとって静かに過ごしている なんとなく意味もなく 疎遠になったのは2年前のこと 店内は変わらず 内装は程よく磨かれ 低くラジオが流れている 時が時なので混み合ってはいなか…

空回りするドアノブ

空回りするドアノブの その奥に 知らない自分がいる そんなに力を入れなくても よかったのに 内側から思い切り引っ張ったものだから 外からはもう開かない 空回りするドアノブの その奥に 知らない自分がいる そんなに焦らなくても よかったのに 内側から思…

ぺとむんぺどむん

ぺとむんぺどむん 秒針が歌う あの日 静音タイプを選んだはずなのに 今夜もまた ぺとむんぺどむん歌っている お前もひとりが好きなのか お前に悩みがないだけか それとも最期を夢見ているか 規則正しく居心地悪く ぺとむんぺどむん繰り返す RF素材

空元気で上書きしないことだ

振り返ることで 元気が出るのなら それをあなたの中で 否定しないことだ くよくよするのを グダグダするのを 空元気で否定しないことだ そういう日はある 笑顔が自慢のあの子だって 孤独なんて どこふく風の詩人だって 泣き虫いじけ虫の日が ないわけじゃぁ…

嘘つき

うそをつく 何度でもいかようにも うそをつく 自分のための 誰かのための うそをつく なんのための 誰のための うそを紡ぐ 何度でもいかようにも ひとかけらの真実を すべりこませて とびきりのうそを紡ぐ やさしくほろ苦く 寄り添うように RF素材

新調してみた

家中のゴミ箱を新調して1〜2年になる。 分別用に最低3個は必要で、それらは全てキッチンに置いている。 同じサイズ・形状の色違い。それだけでも充分かと思われたが、人の「滞在時間」が比較的長くなる場所に、1個ずつ置くことにした。 それから、ゴミ箱を空…

ご訪問に感謝

3週間前に シクシク泣きながら書いた記事が 今頃になってあがってきている 昨日 ぬおお〜とノリノリで書いた記事は あと10日はしないとアップされない なんか そんな風に予約投稿してます 気分で入れ替えてみたりは しょっちゅう ですが まさかのその日の天…

郷愁

愛しい日々

冷凍チャーハンが 半端に残って 三日前の冷凍ご飯も 解凍することにした 問い合わせ案件の 返事は遅れていて 僕は 先方にどう伝えたものかと 考え込んだ 半端な冷凍チャーハンが 三日前の冷凍ご飯と ほどよく混ざって ほかほかぽかぽか お腹に片付けたら コ…

日常じみてる

体の軋む音は もう静まりかえったのに 心の摩擦音は もう消えないのだろうか 昔より ずっとやわらかく動けるのに 心はどうして こんなに軋んだままなんだろう 誰もいないヨガスタジオは かすかにアルコール臭がして かえって日常じみてる あたしは 心の蓋を…

五月

開け方

壊れた鍵や 堅固な扉を開くには それなりの道具と それなりの技術が必要となる ひとたび閉ざされれば 内側からは どうということもないのに 外側からは なかなかややこしいことになり 力づくでこじあければ 粉々に壊れてしまう 心も同じだよ 膝の上で猫が笑…

沈黙

騒がしい日が続いたので僕は卵になることにした

騒がしい日が続いたので 僕は卵になることにした まず 深く深く吐いて吸って 何回とか何時間とかは 考えない 寝転がっても 座ったままでも 安心できるものに もたれていても それはあなたのお好きなように 僕は そうだね 今日は楽な格好で座っているよ 人で…

せめて。

じわじわと、ゆるゆると

あなたの声は届く ヒトが言葉を持ち合わせなかった頃の 数万倍もの速度で じわじわと ゆるゆると しみてくるのだ あなたの居場所は遠いけれど きっと ヒトが言葉を持ち合わせなかった頃と 変わらず じわじわと ゆるゆると しみてくるのだ 「好き」より「嫌い…

上書き

忘れたい傷も 忘れた祈りも 体の奥でわだかまる あなたを上書きした幻想は わたしを上書きしてはくれなかった 思い起こせばほろ苦く 思い出せない愛の日々 胸の隅でわだかまる わたしを上書きした過去に あなたを閉じ込められるなら ふたりを閉じ込められる…

続けてみる

何らかの形でつながりのある(あった)方の中には、ご記憶の方もいらっしゃるかもしれない。 去年、生まれて初めて骨折に見舞われた。 その少し前、ある運動とメソッドの存在を知り、メルマガを読み始めていた。 1年間、毎日届くのである。しかも無料で。 …