猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

常連客

冷ややかな胸の内を

隠したまま

おずおずとドアを開けた

見知った顔たちが

距離をとって静かに過ごしている

 

なんとなく意味もなく

疎遠になったのは2年前のこと

 

店内は変わらず

内装は程よく磨かれ

低くラジオが流れている

時が時なので混み合ってはいなかった

 

ご無沙汰してます、と店主に小さく声をかければ

マスク越しにほんのり驚きをこぼし

うんうん、とゆっくり頷いた

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