空回りするドアノブの
その奥に
知らない自分がいる
そんなに力を入れなくても
よかったのに
内側から思い切り引っ張ったものだから
外からはもう開かない
空回りするドアノブの
その奥に
知らない自分がいる
そんなに焦らなくても
よかったのに
内側から思い切り引っ張ったものだから
外からはもう開かない
誰かに
優しくされたところで
誰かに
唆されたところで
偽物たちが上滑りしていく時代なら
無理に開くこともないのだろうか
空回りするドアノブの
その奥に
知らない自分が寝息をたてる
幸せも絶望もどこ吹く風
世界は今日も回転する