猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

だから、会うつもりもなかった。

話を聞いてほしいわけではなかった。

だから、会うつもりもなかった。

情けなさでよれよれになった心もちを、どうにかすっきりさせたかった。

ただ、そうしたかった。ひたすらに。

 

LINEしてみる。ブロックはされてない。

そういうことすら無頓着な人だから、こんなに素っ頓狂な彼女がいてもどうということはなかったのだろう。

 

些細な感情にいちいち名前をつけるのは、詩人の悪あがきかもしれない。

 

どうとでもとれるような言葉を投げつけて、わたしはその人との連絡を断つ。

そうしておいて、自分のためだけにLINEを送る自分もまた、許し難いと思った。

 

しばらくして、あけましておめでとうございます、のスタンプが届く。

それから「素っ頓狂でもいいじゃんか」という一言が送られてきて、やっと許し許されてるんだな、と再確認した年明けだった。

 

話を聞いてほしいわけではなかった。

だから、会うつもりもなかった。

情けなさでよれよれになった心もちを、どうにかすっきりさせたかった。

ただ、そうしたかった。ひたすらに。

ずっと前からそうしたかった。