猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

わたしの知らないはなし

マスクを捨てた

冷却シートは真夏用に少し残して

友達にあげた

熱冷ましの錠剤は

一箱だけ残して

心配性の親戚にあげた

 

大気はいつどうなるかわからないし

海も空も澱んだり霞んだり

大地にごろごろするなんて

今では誰もやらなくなった

 

わたしは知らない

そんなはなしなんぞ

わたしは知らない

過去にも未来にもきっと繰り広げられただろう

そんな光景なんぞ

 

不安が心を侵食し続けている

これはなんだ

 

わたしの知らないはなしだ

それでいいぢゃないか