猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

断捨離と残り時間

本と服とレコードは

お墓に持って行けないのだから

自分に何度も言い聞かせ

手放し続けた

部屋の中は空洞に

心は安堵に満たされる

それでも何か捨てられないかと

数え続けるのが人というもの

ある朝

数えるものがついになくなり

残り時間を数え始める

 

日めくりをちぎりとるように

命を削りながら

わたしたちは歩く

それぞれの終着地へ向かって