猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

切り落とし

ハサミをいれられるたび

喪失感と快感が

身体を走りぬけ

心の中はたちまち雨模様だ

 

足もとにも胸もとにも

あふれる分身たち

命を手放すかわりに

思い出を切り落とした

 

ハサミをいれられるたび

後悔と希望が

身体を走りぬけ

鏡の中の自分と目が合った

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