猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

余迷い

絶望と納得を繰り返しながら 終わりを見据えていく ため息の理由は自分の中にあるのだから 一度は取り出しておけばいい 死と忘却が訪れいずれ消えてしまうだろう あんなことも こんなことも 抱えすぎてもしょうがない 見すぎても仕方ない ああそれでも 生き…

散らばる言葉

散らばる言葉を 探りあてたと錯覚して 少しばかりいい気持ちになる そんな過去もあるにはあったかもしれない しかし それではナニモノも世に誕生しないので わたしはここにいるのだろう 錯覚が夢でなくなるときまで ランキング参加中詩

戻ったよ、ね

朝起き抜けに 「戻ったよね」 そんな言葉が口をつく 体内時計が息を吹き返し 心身のアンテナがいくつもの 感情をキャッチする ここ数日間の出来事も ここ数年間の日常も 今は全てがありがたく 猫の姿勢を時折真似て 空と向かい合った 朝唐突に 「戻ったよね…

抱負と柵(しがらみ)

11月、冬の「ふ」の字もないうちに 決めておいた 全てに当てはまり 全てをあらわし 全ての意味になる 季節のよろしいときは 多少ガツガツして 季節の厳しい折には 多少静かに暮らす 誰とも同じでない時を 誰とも比べることなく 過ごすのである せきとめるも…

繰り返し

誰彼ともなく いつもより念入りに磨き始めて それは唐突に終わる 少し半端に残ったとしても そこはあまり気にせずに 朝はやってくる 古くなるなどあり得ない 夜もまた同様に 同じ時間は二度紡がれない 瞬間ごとに生まれ変わって 瞬間ごとに何かを忘れては ま…

孤独あれこれそれぞれ

あくまでも自論なのだが、真の孤独は言葉にできないと信じている。 何かしらの単語で表現できるうちは、大丈夫だと。 ただし、リミッターはそれぞれだから、当てはまるからと言って気づかないふりをするのも、あまり体によろしくないような気がするが… それ…

遡る

時計の針を川の流れを 割れた器を あなたの人生をあの瞬間の言葉を 破った手紙を止まない雪を きみが決めつけたわたしの偶像を ランキング参加中詩

忘れもの

忘れものをした 昨夜の湯船に沈めて そのままなかったことにした 忘れものをした 今朝の早起き鳥にさらわれたので そもそも持ってなかったことにした 忘れものをした さっき木枯らしにのって見えなくなったから もう泣かないことにした

2024年のこと。

もう決めている。 単刀直入に説明できるように。 決め過ぎて心や体が縛られないように。 計画的にしておいてもいいし、 流動的にしておいてもいい。 筆者の場合、決め過ぎず流れ過ぎず。 これも一人一人、いい塩梅やさじ加減といったものがあって、誰かに教…

さわらず捨てるもの

慌てず騒がずさわらず開かず。 不思議な雰囲気の、心当たりのない便りが届く。 俗に「迷惑メール」と呼ばれているものだ。 昼夜を問わず(寝ている時間帯も届いていた)送られてくるので、初めのうちはギョッとした。 覚えのないSMSも頻度は多くないが届く。…

SNS事情あれこれ-1

インスタグラムの更新は、かなり気まぐれだ。 平気で数ヶ月ほったらかすこともあれば、興が乗って連投することもある。 ストーリーズも使ったり使わなかったり。 自分の何かを宣伝したり、広く誰かとつながりたいわけでもないので、まあこんなところだろう …

手入れがしやすく、価格が手頃。 なんと言っても歩きやすい。冠婚葬祭にはそぐわないかもしれないが、そんなわけでスニーカーや準ずる靴を履くことが多い。 去年は、いつも以上に歩き回っていたものだから「靴ってすり減るのだな」と妙に感心していたもので…

なにしてた?

去年の今日 なにしてた? あなたのことで多分 あたふたしてたっけ 手帳はメモだらけ スケジュールもぎっしり よく息をして よく生きていたなと 笑い話のように思い出す 去年の今日 なにしてた? わたしのことは多分 後回しにしてたっけ 着るもの食べるもの …

このところ、箱…いわゆるびっくり箱的なものになるだろうか…の蓋が開きっぱなしになっているような気がする。 渋滞中のふだんごと。家族ごと、自分ごと。 いいこと。 そうではない(ようにも思える)こと。 幸せな感情。 不幸せ(とも思える)感情。 そう、…

そりゃ間違いなく私なんだけど

月曜が、またきた。 二度と会いたくない。だから、こないで。 わかった、と約束した夜を忘れたのは、そりゃ間違いなく私なんだけど。 月曜が、もうきた。 くるなら1週間前に知らせて、さもなければこないで。 そうする、と誓った声を忘れたのは、そりゃ間違…

偽物になって

誰も知らない名前になって あたしは歩く 誰も知らない気分を抱いて あたしは笑う 誰も知らない色になって あたしは叫ぶ ほら 偽物はここだよって 探しびとはあたしよって 誰も振り向かない 誰にも見つからない 誰かの真似もしない 元から偽物なんだもの 誰も…

それでもたぶんきっと今でも

わたしの「好き」は極端に狭く 不穏な匂いを感じとれば 人なら気取られぬよう モノなら少し大胆に そこから自由になるのである わたしの「得意」は極端に狭く 幼い頃は本能的に 長じてからは潜っては浮き上がりを 繰り返し 手放したところでようやっと 本当…

読書は1日の終わりにだけどあなたはお好きなように

心と体の活性化に とてもとても役立つそうです だから1日のうちに誰にも邪魔されない時間を ひとりの時間を必ず作って どんなに忙しくても必ず本を読みましょう …と念押しされすぎると やんわり反抗したくなってくる だからというわけでも そんなわけでとい…

一言たりとも交わせはしなくとも

血の半量がそうさせるのか 遠い記憶が呼び覚まされるのか それは確かになじんだ 一言たりとも交わせはしないし 読み書きもほぼできはしないし ましてや舌にも強すぎて それでも血は正直だ 半量だけの そして先々受け継がれもしないものを 持て余し弄び ただ…

溺れる

空腹と空白

心の空腹をふさぐよりも 心の空白をうめるほうが 少しは楽だ あの日のあたしにそう伝えたい ランキング参加中詩

それは「…」ではなく

誰かの悲しみは わたしのものではなく 誰かの喜びは わたしのものではなく 共有して分かち合ってそれはそれで 尊く愛おしい とは言っても 誰かの人生と交差はしても 誰かの人生を生きることはできないのだ 誰かの宇宙と同じものが映っても 誰かの宇宙にいる…

つめたいひと

下がっていく 室温も外気温も 足元の毛布は蹴落としているし 夜中のトイレついでに水分補給は すっかり習慣になっているが 日の出前のひと時は秋が少しだけ濃い 寝具は夏のままで 普段着も外出着も半袖のままで 汗拭きシートも汗拭きタオルもバッグの隅に 忍…

サボる

悲しむのをサボる 羨ましがるのをサボる 傷つけ合うのをサボる さびしがるのをサボる 後回しにするのをサボる 妬むのをサボる 死にたがるのをサボる 怠けたがりをサボる 時々そうやっていい人ぶるのを こっそりサボる ランキング参加中詩

いつかの「ひとつ」いつかの「わたし」

ひとつ持っていれば済むのだが あえて三つ四つ持つことにして 並べたり 使い分けたり いくつかは失くしたのに ずいぶん前の「ひとつ」が残っていて それはたぶんわたしが死んでも (のっとられない限り) ふらふら漂い続けるものなのだろう いつかの「ひとつ…

星喰いの言い分

正しく回るのならば

手放していければいいのに 手放せないものがあって 執着ではないのだけど こびりついた記憶は容易に削ぎ落とせない 投げつけられた単語のひとつひとつを 何かと縛りつけられた心のありようを 今さらなかったことにはできない だから綴る だから刻む 例え目の…

惨めになるだけだ わかっているから

惨めになるだけだ わかっているからやめようと 誓う それが数分でも数日だけでも 繰り返しているうちに習慣になって やめる=苦しい ではなくなる 何かと比べることを 誰かと比べることを ブレーキをかけすぎて つんのめる瞬間があったとしても やめようと …

とびきりよくはないにしても

ばっさり髪を切ることにした 恐る恐る ではなくて 暑さが厳しくなったから でもなくて 恋やら失恋やらとも 関係なくって ただばっさり そんな気分だった ピアスが似合う人に なりたかったようにも思うし 少年の顔をしてみたかった そんな憧れもあった気がす…

ちょっとものぐささんのグリーンライフ

放置気味でも すくすくと育ち 頻繁に水やりしなくていい それでも 梅雨の湿気を纏い 差し込む光を浴び それぞれ 個性的な表情を見せてくれる 長い付き合いの子 やたらと大きな葉っぱの子 上にばかり成長するので心配していたら いつの間にか下を向き始めた子…