銀のつぶつぶが
こぼれていったら
やっと
心の熱がひいた
そもそも
自分自身が銀色のかたまりみたいなもので
それが急にグリーンを育ててみたりもして
どこかでバランスが崩れたのでしょう、と
主治医は血液検査を細かくチェックしながら
穏やかに告げた
処方薬はどうも強すぎ
つまりあまり役に立たなかったが
喉を通るもの、お腹におさまるものが
少しずつ増えて
起きていられる時間が
少しずつ増えて
空と風を感じられるようになった頃
銀のつぶつぶが
こぼれていったら
やっと
心の熱がひいた