猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

銀のつぶつぶ

銀のつぶつぶが

こぼれていったら

やっと

心の熱がひいた

 

そもそも

自分自身が銀色のかたまりみたいなもので

それが急にグリーンを育ててみたりもして

どこかでバランスが崩れたのでしょう、と

主治医は血液検査を細かくチェックしながら

穏やかに告げた

 

処方薬はどうも強すぎ

つまりあまり役に立たなかったが

喉を通るもの、お腹におさまるものが

少しずつ増えて

起きていられる時間が

少しずつ増えて

 

空と風を感じられるようになった頃

 

銀のつぶつぶが

こぼれていったら

やっと

心の熱がひいた