あの冬
あわてて買った
少しぶかぶかのパーカーを
今年もついに着ないまま
あたしは衣替えのまねごとにいそしんでる
12月の声を聞いたところで
雪はもうずいぶん見ていないし
薄手のコートすら必要ないのだから
冬
この言葉の意味を知らない世代が
そろそろ生まれても不思議じゃないよね
そういうあたしだって
木枯しがどこから吹いてくるのか
もう思い出せないんだ
パーカーも要らなくなっちゃった
リメイクしようか
リサイクルにだそうか
ため息まじりの晩秋である