わたしの中の猫が疼く
悲しいことなのか嬉しいことなのか
区別がつかなくなってから
ずいぶん経つので
猫が疼けば悲しいこと
猫が喉を鳴らせば嬉しいこと
そう理解して
人らの中に紛れて暮らしている
わたしの中の猫が逆立つ
悲しいことなのか怒りにとらわれているのか
区別がつかなくなってから
ずいぶん経つので
猫が疼けば悲しいこと
猫が逆立てば怒り
そう理解して
人らの中に紛れて暮らしている
心を選ぶことはできても
感情を選ぶことは苦手で
いつからか
わたしの中の猫に全てを押しつけて
人らの中に紛れて暮らしている
わたしの中で猫が鳴く
なんの感情もなく鳴いている