猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

わたしの中の猫が疼く

わたしの中の猫が疼く

 

悲しいことなのか嬉しいことなのか

区別がつかなくなってから

ずいぶん経つので

猫が疼けば悲しいこと

猫が喉を鳴らせば嬉しいこと

そう理解して

人らの中に紛れて暮らしている

 

わたしの中の猫が逆立つ

 

悲しいことなのか怒りにとらわれているのか

区別がつかなくなってから

ずいぶん経つので

猫が疼けば悲しいこと

猫が逆立てば怒り

そう理解して

人らの中に紛れて暮らしている

 

心を選ぶことはできても

感情を選ぶことは苦手で

いつからか

わたしの中の猫に全てを押しつけて

人らの中に紛れて暮らしている

 

わたしの中で猫が鳴く

なんの感情もなく鳴いている