猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

破り捨てた春の1日

破り捨てた春の1日を いつかあなたが拾うのでしょう 甘い言霊冷たい態度 猫が足跡つけて去る 殺戮を破壊をやめてくれと 流れる文字の川を好き勝手にに読み散らかし 結局やっぱり遠くの出来事だと わたしたちは愚かにも納得してしまうのです 悲しいことを怒り…

幸せを語るなら

哀しみを語るなら 努めて光あふれる言葉で 伝えよう 喜びを語るなら 努めて愛あふれる態度で 伝えよう 幸せを語るなら あなたの内に光が灯るように 伝え続けよう

命はオモチャじゃないのです

命はオモチャじゃないのです 命はゴミじゃないのです 命はその辺に転がってるものじゃないのです 命は儚く命は力強く 命は明滅し命は燃えさかる 誰もそれを止めてはならない 誰もそれを奪ってはならない 命はオモチャじゃないのです 命はゴミじゃないのです …

どんな時代に生きていても。

身長は160cm台の初めのほう 体重はここ数年40kg台キープ ほとんど変化がない おかげさまで つつがなく暮らしている 「禍」の中 習っていて心底よかったと感じるのは やはり 室内で静かに行えるメソッドであろう よほどの体調不良でない限りは 「前半のみをひ…

心のわからぬものにまで

極上ではなくても

極上ではなくても 軽やかでなくとも 擦り切れていても どうにも草臥れた器ではあるが 寄り添い歩む いつかの明日 わたしはわたしでなくなり わたしの宇宙から出ていくのだ それまでは 新品でなくても 悩み多くとも ひび割れていても どうにも草臥れた器では…

11月の金木犀

夜に気づかれぬよう 香りを追いかければ 花は満開で 泣いてるみたいだった 月に吠えたくなり 立ち止まれば 花は満開で 泣いてるみたいだった 11月の金木犀は ただ悲しくて どんな涙も嘘になりそうだ だからかみさま まだ冬を紡がないでください あと少し も…

心のうちに涙が落ちれば

心のうちに涙が落ちれば いつか花が咲くのでしょう 喜びと悲しみは分け隔てなく ただ彩りあふれているのです 手放したはずの重荷を スルスル手繰り寄せてしまうよな そんな日もあるのだけれど 心のうちに涙が落ちれば いつか花が咲くのでしょう 喜びと悲しみ…

さびしぃく かなしぃく

さびしぃくなれ かなしぃくなれ その分 つよぉくなれ 幸せにぃなれ くるしぃくなって つらぁくなって その分 体内に息づくだろう この命が さびしぃくなれ かなしぃくなれ その分 つよぉくなれ 幸せにぃなれ

「さびしい」が佇んでいる

「さびしい」は「さびしい」でうめていくのだ ものでも言葉でもなく 「さびしい」感覚そのものと向き合うだけでいい 自分が「さびしい」ことを知ること 「さびしい」の正体を知るより 「さびしい」に招待されるぐらいの つもりでいればいい 「さびしい」は「…

雨の狭間 風の狭間

雨の狭間に風の狭間に あなたの声を探さなくなる未来を 「我がもの」と寄り添えるだろうか もはや忘却は 知恵でも智恵でもないとすれば かみさまから愛とともに贈られた ギフトであるならば もがき続ける日々の 救いにもなろう 雨の狭間も風の狭間も あなた…

罪の感覚

行きすぎた罪悪感が かしこまりすぎた自分を責める あたしは深く息をして 空と向かい合っていた それを緩めてあげること 思い出す日はこんなに減って 夜な夜な涙する理由は ほかにもあるのだ 空は悲しみとも喜びとも 無縁で 落ちかからぬ限りは 今も我らを包…

忘れずはと努むるほど

忘れずはと努むるほど うまくいかず 思ひ出さばやと焦るほど 心が歯を食ひしばりつ 優しくせばやと努むるほど うまくいかず 冷たきけしきと悔やむほど 心が歯を食ひしばる さる事にすら 理のことと 受け入れられば いかに歩みやすくならむうに

孤独考-2

まずは 身をまかせてみなさい 受け入れなさい そこに存在するものだとして 肝心なのは 蔑ろにしないことだ 慣れるまでは 無理やりに芽をつんだり 根っこを引き抜いたりせず むしろ育つのを楽しむぐらいで いなさい やがて花が咲き 香りを撒き散らす それでも…

盛夏

生くるなり

再会できるなら

先々で再会できるなら それでよしとしよう 今日になって そんな思いが胸に落ちてきた きみが失われて どれぐらい時が流れたのか 日記をつける習慣もなく 住所もLINEのIDも 結局は誰にも教えないまま 空以外とは距離をおく 先々で再会できるなら それでよしと…

いつかの未来

禍を越えば

祈りと命

祈りはささやかですが 祈りは強いものです 時に心を砕かれ 時に絶望に漂い それでも 涙を持って種を育て続ければ 芽吹きと実りを迎える日が 訪れる 命はささやかですが 命は強いものです いつの時代も変わらないのです

実火槻〜みかづき

人のあらぬ確かめて マスク外さば 六月風 槻(けやき)に実る みかづきに 禍の終わりなど 尋ねたりき

過理執=かりとり

人が集まるから 距離が保てないから キケンだから そのほうがいいのなら 仕方ないです 桜並木に規制線を チューリップに鎌を 藤の花に大バサミを 人らの 星の 未来に光を

ぎたりすと

切望

過積載-4

希望と絶望は 同じ場所から生まれ 実体はなく “それ”をどう捉えるかは 自分次第である つまり 希望と絶望は もともと同じ姿であるから 見分けがつきにくいのも また事実なのだ あなたはどちらの姿を 今 捉えているのだろうか 嬉しいほうに傾いていけるよう …

それが日常だと

マスクの代わりに 美しい言霊と音律を 唇と舌で味わう ハグとキスで 愛を紡ぐ 固く握手を交わし 触れ合う指先にも心がときめく 向かい合って 笑ったり泣いたり 時々怒ったりもする それが日常だと 誰もが心置きなく 叫ぶことができますように

哀しみは

キイロイトリさんによるイラストACからのイラスト

もしもあたしがあなたより

もしもあたしがあなたより 先にあちらへ行ったなら 今日は あなたを満たす涙になって 明日は あなたの涙を乾かす光になって 明後日には あなたを笑わせる雲になって それから 寂しいという言霊を あなたから永遠にとりあげる 強い風で 散らしてあげる 愛しい…

影ふみ鬼

一生に一度だけ 約束は 果たされるかもしれない 伝わらないかもしれない それでも 一生に一度だけ 強く強く願う 虫の音は あの日と変わりなく 空の青も むしろ鮮やかすぎて だから 一生に一度だけ 影ふみ鬼たちが 儚く混ざり合っても きみの幸せを 深く深く…

ステーション(放送局)

ステーションを探す 暴風の深夜 せめて感情が すっかり姿を変えてしまわないうちに ステーションを探す 暴風の深夜 せめて美しい音節が 耳朶に触れていられるように 通信も電気も明滅する 暴風の深夜 携帯ラジオでステーションを探す きみの無事を祈りながら…