猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

舌を突き出した幼心のうちで

このあたりの言葉は汚いから使うな 頭が悪くなるぞ 幼少期の「ほんとうにあったかなり怖い話」である 汚い=乱暴な言葉を使うな、と叱られるのは まだ理解できても いわゆる「子ども心」にも ヘンテコな考えを持っている人たちだと 思わざるをえなかった 理…

バカだねと受け止めて

まだ 大晦日にいるわたしを どうにかこうにか今日へ呼び戻す 何も起こらなかったあの日に 魂がとどまってしまいそうで 空っぽになった器を満たすべく 飲み食いし そのたびに罪悪感を覚えて また 大きすぎるため息になる 「大丈夫?」がこんなに無力で 「平気…

わたしに夢はない すでに叶えたから あちらこちらで美しい珠のような物語は 転がっているけども わたし自身が夢そのものであればいい 儚く燃えて 静かにたちのぼる 命そのものだ 夢そのものだ ランキング参加中詩

散らばる言葉

散らばる言葉を 探りあてたと錯覚して 少しばかりいい気持ちになる そんな過去もあるにはあったかもしれない しかし それではナニモノも世に誕生しないので わたしはここにいるのだろう 錯覚が夢でなくなるときまで ランキング参加中詩

戻ったよ、ね

朝起き抜けに 「戻ったよね」 そんな言葉が口をつく 体内時計が息を吹き返し 心身のアンテナがいくつもの 感情をキャッチする ここ数日間の出来事も ここ数年間の日常も 今は全てがありがたく 猫の姿勢を時折真似て 空と向かい合った 朝唐突に 「戻ったよね…

命はいろんなもので出来ている

それがとても優れていて 認知もされて みんなやってるよ または 限定だよ って (先人の知恵や病的に弱ってしまった時の助けはともかく) 誰かの編み出したメソッドで ほんとのほんとに何かを得られると ほんの一瞬思い込んだとしても よほど自分の血肉にな…

このところ、箱…いわゆるびっくり箱的なものになるだろうか…の蓋が開きっぱなしになっているような気がする。 渋滞中のふだんごと。家族ごと、自分ごと。 いいこと。 そうではない(ようにも思える)こと。 幸せな感情。 不幸せ(とも思える)感情。 そう、…

10月

くるくると不安になる 10月の声を聞くたびに 残された今年はこぼれていくだけだと くるくると不安になる 10月の声を聞くたびに 手放したことは多いはずなのに 失い足りないと自分を責めるのだ くるくる不安になる 10月の声を聞くたびに 水の冷ややかさと 夜…

春と秋と冬は特に

ねむい。 学生時代から眠気には勝てなかった。春と秋と冬は特に。 転生があるとしたら、一度くらいは猫かナマケモノだったのではないかと思う。ただし、人らには懐かず仲間とも群れず、と言ったところか。 チームには何度も属し、何度も解体してきた。 ある…

キライナコトバ

高いほうがいいのですって、肯定感 いつもポジティブでいられるからですって 周りもどんどん巻き込んで 確かに確かに想像よりずっとずっと Life is short ! でもねでも いつの間にやら誰の声も それちょっと違うかもよ、も 聞こえなくなることが あるのだっ…

シツモンデス

海の広がりと空の在り様と わたしの空白部分と噂の散らかし具合と いちばん広いのは ど〜れだ? ランキング参加中詩

空模様心もよう

ランキング参加中詩

星喰いの言い分

ひっかかりもっかかり

一年のうち何度かは 途方に暮れるのも悪くない 止まっている気がしても 何かがきっと紡がれて 道を失くした気がしても 何かにきっと導かれ ずるずるぞろぞろ ひっかかりもっかかり それでも時は流れるのだから ランキング参加中詩

そいつ

そいつは生真面目な星喰い屋 惜しげもなく暮らしぶりを晒す 見る者が興味より心配を大きくするほどの 勘の良さを呪う 彼が嫌いな自分を呪う 単語ひとつで 「こいつは俺とは合わねえや」 瞬時にわかってしまうんだ いやいや待てよ 会えば印象も変わると言うで…

おやつ

ランキング参加中詩 ランキング参加中雑記

ランキング参加中詩

ポトン、と落ちて

ひろったものか迷っているうち 人混みに紛れてしまう せめて心が残っただけでも よしとするか ポトン、と落ちて しばらく足元でのたうち回っていたが 潮時だったのだろう 忘れなさいと 手放しなさいと 後生大事にするものでもなかろうと すっかり軽くなった…

初心者ながら 数鉢の観葉植物を育てている 特に 蔓性のだんだん垂れ下がるものに 目がなく 動物が齧ってもなんということもないものから 少しばかり毒を含んだものまでが 集まってしまった 毒と言っても 素手で樹液に触れれば かぶれることがある程度のもの…

あるニュースに思う

向けられた妬みも どこか微笑ましくさえ映り 数年も経てば 人らの興味は他へと流れる おおよそこの世は そんな物事だらけである ランキング参加中詩

いっそのこと…

時の記念日が行き ほんの少し安堵する 決して無駄にしてはいないのに 責められているように思えてならない ではいっそ 記念ではなく祈念の日ということにしておけば 誰かに諭されそれもそうかと でもいっそ 朝寝坊の言い訳もできない日なら いっそのこと… ラ…

号笛

ランキング参加中詩

食い荒らされた心の穴

食い荒らされた心の穴を モノで埋(うず)め始めた 初めは砂粒のようなピアス きみは「化粧を変えたの?耳元がキレイ」と 笑ってくれて 穴はすぐに塞がった 次に小さいけれど ほんとのダイヤのペンダント ハイヒールを履いた日にすまし顔でつけてみた きみは…

無頓着と無自覚

あなたはお金持ちでおしゃれです 最近知り合ったばかりの人に そんなことを言われる 「失礼を承知で」という枕詞付きで この際 お金持ちの定義やおしゃれの定義は ちょっと置いとくとして なんともなんとも 明るくはない心持ちになりかけたのも 嘘ではなくて…

いつか幸せを食べたなら

いつか名前を呼べたなら わたしの舌は幸せを知るでしょうか いつか幸せを食べたなら わたしのお腹は満たされるでしょうか いつか心が空腹になったなら わたしは愛を知るでしょうか ランキング参加中詩

のんでみる

無理も道理も難題も 大嫌いなきみのことも とりあえず のんでみてそれから ランキング参加中詩

失せもの

わたしの欲しいものリストに いつもお前はいないんだねえ わがままも勝手きままも妬みも こんなに自由に育っているのに いつもお前は素通りしていくんだねえ 愛よ夢よ希望よ どこぞで落っことしてしまったんだかねえ ランキング参加中詩

ただ虚しく

とびきりのニセモノで構わないなら それも家族 とびきりのアイジョウを語り尽くすなら それも家族 とびきりのヨロコビを説明するなんて 結局できなかったのに 母のひも父のひもただ 虚しくすぎていくのだ ランキング参加中詩

捌(は)けくちのその先は

愛と呼ばれるもの 温もりと称されるもの 光に見えるもの やさしい言葉の端々 ながれ流れてkagayki失い 流れながれて意味を失う 憎と呼ばれるもの 冷ややかと称されるもの 汚れに見えるもの さもしい単語の数々 指先ひとつで世界は澱み 目から耳からとめどな…

不思議

大きく壁一面に 44 とあった 幼い頃は迷宮のようで たまに隣の棟に入ってしまい (何しろほぼ同じ姿なのだ) 泣きながら自分の家を探した 数字が書かれた壁は 今でも恐ろしくて 営業で団地を通り抜ける日は 節目がちになる soshite yumede unasareru 何に…