猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

ポトン、と落ちて

ひろったものか迷っているうち

人混みに紛れてしまう

せめて心が残っただけでも

よしとするか

 

ポトン、と落ちて

しばらく足元でのたうち回っていたが

潮時だったのだろう

 

忘れなさいと

手放しなさいと

 

後生大事にするものでもなかろうと

 

すっかり軽くなった感情と体を

熱風に晒せ

泣くのはそれからでも遅くない