猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

なまけもの一丁あがり

秋が深くなってきた。 核家族もいいところなので、夏場の作りおきはそれほどしない。 ここ数日でようやく「日中も長袖に羽織りもの」が普段ごとになった。 作りおき大活躍!…な季節の到来である。 おかずとスープを数日分。 大丈夫かな?と不安がよぎれば、…

季節を想うことは 誰かを想うこと

季節を想うことは 誰かを想うこと 季節を感じることは 誰かを感じること 涙の中で 播く種の行末を見失い ようやく気づくのだ いつか 種のことを忘れかけたとき 突然のように萌ゆるのを 季節を想うことは 誰かを想うこと 季節を感じることは 誰かを感じること…

悲しくない話をしよう

悲しくない話をしよう いつかきみに会えたら 傷つける人がいても 悩みの渦に巻き込まれても 時は薬になるよって 伝えよう 悲しくない話をしよう 冗談はうまくないけれど たくさん泣いたら 笑顔の種もよく育つよって 伝えよう 悲しくない話をしよう もしもき…

歳の差

雨だれ跳ね返るやうに 誰かが球を蹴たり きみの失はれしより 空は未だ涙を知らず 手を合はせば振り返り 振り返らばただ見上ぐ とこしへに ただ見上げたり 雨だれ跳ね返るやうに 誰かが石を蹴たり きみの失はれしより 空は未だ涙を知らず

もしも ふたりを隔てる壁になれるなら それは幸せなことかもしれない だって 両方の言い分を 心ゆくまで聞けるんだもの 壊れるまでは

季節のうた

心を診る猫の医者-17a

有頂天になったら どうしよう いい気になってやがる そう思われたら どうしよう 僕はなんてことない 平凡で目立たないのが 気に入っているんだ ひっそり生きていたいんだ なのに なんだか注目浴びちまうんだ ああ 孤独でいたい どうすればいいでしょう 心を…

ほどければよいのに

手のひら

猫だった頃の名残は 手のひらにくっきりと 親兄弟(姉妹)の誰ひとり そんな手相は持ち合わせないのに やたらと安定の悪い場所が好きで やたらと高いところでしか くつろげない 水たまりを飛び越える術さえ 大人になるほど巧みになって 何やってんの、と パ…

恋文

読み終えたそばから さびしくなるから 何度もはじめから読み返す 嬉しくて 愛しくて そのたび 体が熱を帯びるのだ 読み終わる前に わざとゆっくり 便箋をたたんで また雨を眺めた 読み終えたそばから さびしくなるから 何度もはじめから読み返す 嬉しくて 恋…

第五詩集『心をみる猫の医者』発刊に寄せて

いつもありがとうございます。 本日、第五詩集『心をみる猫の医者』が発刊となりました。 悩みの種を育てている人へ、やさしい手紙を書くように綴った一冊です。 空がいつもそこにあるように、時々思い出していただければ幸いです。 2020年、日常が壊れる音…

最近手放したもの

最近手放したのは 愛読中のメルマガの数年分のアーカイブ これは!と思えばプリントすればよいし あの年はどうだっけ?と気になったなら 配信サイトに行けばこと足りる そんな簡単なことに やっと気づいたからである 「意外と読み返さなくなっている」 そう…

すっかり満ちる

あっという間に 膝を滑り落ちる やわらかな塊 視線の先には のんびり生まれでた 青い蝉 殻ごと地面に転がって そのままもりもり喰われてしまった なにごともない顔で 僕の膝にすっかり体重をあずけると やわらかな塊はもう夢の中だ すっかり満ちて 夢の中だ …