猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

手のひら

猫だった頃の名残は

手のひらにくっきりと

 

親兄弟(姉妹)の誰ひとり

そんな手相は持ち合わせないのに

やたらと安定の悪い場所が好きで

やたらと高いところでしか

くつろげない

 

水たまりを飛び越える術さえ

大人になるほど巧みになって

何やってんの、と

パートナーにも呆れられる

 

心地よい場所と

そうではない場所をかぎ分けるのは

得意中の得意だ

 

生きにくい

 

思いつめた日々も

懐かしく

きみを抱きしめるために

手のひらをそっと

開いた