猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

静かな雨の約束-1〜トーザ・カロットの人々

夏至をすぎて

風向こうの岬にも

ようやく静かな雨が降り注ぐ

いつもの道を行けばほどなく

猫の詩人屋さんの住処が見えてくる

今日は久しぶりに毛糸屋さんを訪ねることにする

 

ひとのようにすっくと立ち

ひとの言葉を話し

ひとよりもひとのことを知り

歳を重ねることを忘れてしまった

猫そっくりの毛糸屋の店主

 

マタタビを持ってきてくださるのなら

お酒に漬け込んだのを

 

ひとがそうするように

薄くスライスして食べるのかと思っていたら

 

丸かじりに決まっているではないですか😈😈😈

 

そんなメールが返ってきた

元々は旅をする猫であったのだ

詩人屋さんほどではないが

多少は豪快な部分も持ち合わせているようである

 

それでは

風が戻って最初の静かな雨が落ちた日に

会いましょう

 

どちらからともなく

そんな話になり

僕は毛糸屋さんに会いにいくところだ

 

マタタビ酒の中には

ゴロンゴロンと大きめの実

 

雨よけの服に身を包み

静かな雨の中を歩いている