猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

誰でもない僕になった

朝をひとりじめしたのは

何日ぶりだろう

かっと照りつける陽射しを縫って

さっと通り抜ける秋の風は

ほう、と肩と背中を

いつもよりやわらげてくれる

 

絡みつく仮想現実から離れたのは

何日ぶりだろう

時間さえこぼれてしまう場所から

逃亡して

誰でもない僕になった

 

きみと向き合ったのは

いつが最後だったろう

気持ちを隠すことに飽きたのは

いつが最初だったろう

 

後悔は

いつ生まれたのだろう

 

f:id:Sala-Y:20190909121131j:plain