悲しくならなかった日を探すのは
簡単ではありません
心が悲しみに傾けば傾くほど
匂いも景色も鮮明になりすぎて
ほんの些細なぬくもりや
ほんの小さな幸せを
塗りつぶしてしまうからです
命の意味を
愛の意味を
見失うこともあって
そんなことばかりではないと
体の隅ではわかっていても
砂のように自分が壊れ続けている音が
きこえるのです
寂しくなかった日を探すのは
簡単ではありません
自分の弱さもずるさも
わかりすぎるほどわかった上で
足りない、足りないと
なじっていました
あなたのそばでずっと感じていたのは
そんなことばかりでした
互いに溺れすぎていて
互いに平行すぎて
二人はただ寂しかったのです