猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

ふたり

すべりこみセーフの朝でも

こないよりマシだ

きみはそう言ってうまそうに

味噌汁をぐいっと飲んだ

 

空は今日もどこかの街へ降り注ぐ

そのおかげで暮らしていけるのは複雑だと

雲予報士の夫は珍しくこぼす

 

だからこそ

おしまいがくるまでは

とどまらなければ

 

口癖を真似ると

きみはおかしそうに笑った

 

あなたにそんな特技があったとは

“先輩”

 

その呼び方は職場だけにしてよね

じゃ

気をつけて

 

岬に暮らす猫たちにもらった

空のかけらで軽くきみに触れた