きみの顔も見えないぐらい
雨が降った秋の夕方
それは突然やってきた
鼓膜が裂けそうな沈黙と
網膜が破れそうな暗闇を
それでも愛おしいと思ったのは
どこかに懐かしさを含んでいたからで
やり直せないのは百も承知
くだらない噂とフェイクニュースに明け暮れては
居場所を探すバクになった
それぞれが充足しそれぞれが乾ききって
それでも幸福感に包まれるのは
寂しさの裏返しなのに
きみの顔も見えないぐらい
雨が降った秋の夕方
それは突然やってきた
真実が一瞬花開いたかに見えたが
それは突然