猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

洞窟

誰かの後悔が

ぽとりと首からもげている

そうか

前を向けたのか


少し行くと

今度は

誰かの嫉妬が

ゆらゆらたちのぼる

横目で見やって

寂しくなった


少し行くとやがて

そっけないひとことの向こうに

やわらかな想いが

キラキラたまり続けていて


通り過ぎながら

嘘といっしょにもぎとった