猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

消失するやさしい記憶

舌にのせたのは

言の葉のはずだった

伝えたのは

記号ではないはずだった


くるしくて

せつなくて

どうしようもなくなって

そっと舌にのせたはずだった


こんなふうに

無造作な記憶になって

こんなふうに

殺風景な記録になって

曖昧に噛みしめた

それすらもう消えそうだ


膨大なデーターベースは

崩れ始めてる

失うことこそ正義と言わんばかりに