2022-10-10 夜が眠らない 童話詩 今日もやってきては 眠れないのだと告げる このところ“夜”はそんなふうである 明るすぎるだの 騒がしすぎるだの 挙句のはてに 「夜のくせに」 「夜なんていらない」 そのくせ 「ずっと夜明けが来なければ」 「朝はなくても困らないし」 人らは総じてわがまま好き放題だ じゃあ追っかけっこでもするかい よいねえ 漆黒の命同士 遠慮なしにくんずほぐれつ 自分のしっぽを追うように 今日も夜が過ぎていく