猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

風磨きのうさぎ-4

雲が薄く広がっています

女の子がフレアスカートで

くるくる回っているような

パン生地を気持ちよく伸ばしたような

誰もがウフフと笑いたくなる

素敵な空模様でした

 

踊る雲を描くのは少しばかり大仕事

 

ふかふかのところを

伸ばしたり丸めたりを

なんどもなんども丁寧に

 

じゅうぶん広げてふんわり放る

放ってはひきよせて

じゅうぶん広げてふんわり放る

その繰り返しなのです

 

雲がじゅうぶんに広がったら

いつだったか岬で集めた風の残りを

ほどよく薄雲に垂らします

それでようやっと

踊る雲の出来上がり

 

風磨きのうさぎは

ふかふかの前足で注意深く薄雲を

空にかけました

 

あとは風にまかせることにして

マフィンの形の雲にすわりこみ

前足をプルル!とすると

身繕いを始めたのでした

 

雲が薄く広がっています

女の子がフレアスカートで

くるくる回っているような

パン生地を気持ちよく伸ばしたような

誰もがウフフと笑いたくなる

素敵な空模様でした

 

 

 

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