猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

世界

“閉じるだけでいいのにね”

わけ知り顔で囁いた

 

その画面を

その瞳を

その扉を

その心を

 

“閉ざすだけですむのにね”

わけ知り顔で微笑んだ

 

その画面を

その瞳を

その扉を

その心を

 

誰かの吐き捨てた言霊も

誰かが投げつけた嫉妬も

時も空間も越えるから

わざわざ拾いにいかずとも

 

いずれ

違う顔で還っていくのだ

持ち主のところへ

 

そう

世界につながっていることは

世界から見られていること

 

ただし

広い意味での世界なのやら

狭い意味での世界なのやら

 

世界中に隠された箱の中

善意も悪意も

熟成し続けている

 

 

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