猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

トーザ・カロット岬の毛糸屋さん〜店主、旅に出る-1

ようやっと

半袖の上に羽織りもの

ぐらいの格好で

陽だまりを歩けるお天気になりました

 

とは言え

晴れた翌朝の冷え込みは

ぶるる、としっぽまでかじかんでしまうほど

 

猫そっくりの毛糸屋の店主は

何色のベレーを編もうかと思案中

 

空のかけらの青を混ぜましょうか

それとも夕焼けの朱にしましょうか

 

何しろ糸を染めるところから始めるので

それはそれは楽しく頭の中も大忙し

そうこう過ごしているうちに

 

“はじめまして”の街で

“はじめまして”の色を探すのも

楽しそうです

 

ふと

そんな思いがよぎったのでした

 

トーザ・カロットの岬には

旅立つ人の背中をそっと勇気づける

不思議な風が今日も吹いているのです