猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

首都-1

もう地図を頼りにすることも

人の多さにまごつくこともなく

人々と同じ速度で

首都を歩く

 

わざとの回り道は少し孤独で

旅人という自覚が

駄々をこね始めた

 

路線図を穴が空くほど見つめ

車内放送に耳を傾け

乗り換え駅で迷子になって

そんなことも想い出深く

わたしはあの街に立つ

 

もう地図を頼りにすることも

人の多さにまごつくこともなく

人々と同じ速度で

首都を歩く

 

ほんのりと寂しさを抱えて

 

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