今生ではまだ
死んだことはなく
然りとて
予行練習するわけにもいかず
ただ
ああ昨日より半歩だか一歩だかわからぬが
あちらに近づいてはいるのだと
目覚めるたびそう思う
おぼろげな記憶では
やたらと広い川にひとり佇んでおり
夢なのか
命の器を手放した頃のことなのか
それもわからぬのだが
誰といても
誰かといなくても
つまりは
あちらへひとりで行くものであり
悲しみ深く
孤独を深く
味わい尽くすのも悪くはなかろうと
目覚めるたびに思うのである
今生ではまだ
死んだことはなく
然りとて
予行練習するわけにもいかず
ただ
ああ昨日より半歩だか一歩だかわからぬが
あちらに近づいてはいるのだと
目覚めるたび静かにそう思う