猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

詩人屋さんのひとりごと-g

今生ではまだ

死んだことはなく

然りとて

予行練習するわけにもいかず

ただ

ああ昨日より半歩だか一歩だかわからぬが

あちらに近づいてはいるのだと

目覚めるたびそう思う

 

おぼろげな記憶では

やたらと広い川にひとり佇んでおり

夢なのか

命の器を手放した頃のことなのか

それもわからぬのだが

 

誰といても

誰かといなくても

つまりは

あちらへひとりで行くものであり

悲しみ深く

孤独を深く

味わい尽くすのも悪くはなかろうと

目覚めるたびに思うのである

 

今生ではまだ

死んだことはなく

然りとて

予行練習するわけにもいかず

ただ

ああ昨日より半歩だか一歩だかわからぬが

あちらに近づいてはいるのだと

目覚めるたび静かにそう思う

 

 

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