目の前で
誰かが鍵をかけた
瞬間的な負の感情を
吐き出すために
そうして気が済めば
何食わぬ顔で扉を開ける
目の前で
誰かが鍵をかけた
積み上げた負の感情を
しまい込むために
そうして気が済むまで
何食わぬ顔で暮らしている
目の前で
誰かが鍵をかけた
見えなくなあれとかけた魔法は
見事に効いたようだけど
頭隠してなんとやら
他の誰かに丸見えで
たちまち魔法は破綻する
きみの目の前で鍵をかけた
何も知られたくなかったので
カチリと音がするほどに
僕は固く目を閉じた