猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

カチリ

目の前で

誰かが鍵をかけた

瞬間的な負の感情を

吐き出すために

 

そうして気が済めば

何食わぬ顔で扉を開ける

 

目の前で

誰かが鍵をかけた

積み上げた負の感情を

しまい込むために

 

そうして気が済むまで

何食わぬ顔で暮らしている

 

目の前で

誰かが鍵をかけた

見えなくなあれとかけた魔法は

見事に効いたようだけど

 

頭隠してなんとやら

他の誰かに丸見えで

たちまち魔法は破綻する

 

きみの目の前で鍵をかけた

何も知られたくなかったので

カチリと音がするほどに

僕は固く目を閉じた

 

 

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