アイスクリームを舐めおえると
丁寧に顔を洗う
口の周り
ほっぺ
おひげ
目の周り
ほんとうの猫のように
ゆっくりと
のんびりと
人らに
大猫だ!と指さされることも
こわごわ鍵しっぽにさわられることも
気にしなくてよくなったのは
残念というか
安心というか
日常の角度が少し変わっただけだから
すぐにそれにも慣れるでしょう
鍋蓋のような空も
この星をかき混ぜるのが終われば
ショコラオレンジの色に戻るだろうし
その色も徐々に薄れ
生き残った魔法の見える人らも
この街に帰ってこれるはず
近いうちにまた
水色と紫の美しい夕焼けを
眺めて散歩したいものだ
浮かぶ海の街で